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打倒アルファードなるか? 日産「エルグランド オーテック」のそこはかとない魅力【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • 日産 エルグランド オーテック:走り去る姿にも大人の余裕と品格が漂うフラッグシップミニバン
  • 日産 エルグランド オーテック:ブルーの光が走るコックピットが、スポーティな高揚感を演出する
  • 日産 エルグランド VIP:究極のプライベート空間を実現した、後席2人乗りの最上級仕様だ
  • 日産 エルグランド VIP:漆黒のボディが官公庁の送迎にも相応しい圧倒的な威厳を放っている
  • 日産 エルグランド VIP:ブラックの本革が、静寂に包まれた至高の移動体験を約束してくれる
  • 日産 エルグランド VIP:贅を尽くした空間は、まさに移動するファーストクラスそのものである
  • 日産 エルグランド オーテック:純白のボディにメタル調フィニッシャーが映える、清涼感ある佇まい
  • 日産 エルグランド オーテック ライン:過剰な主張を排し、和の思想で仕立てられた美しきサイドビューだ
  • 日産 エルグランド オーテック:乗る者すべてに深い充足感を与える、おもてなしの心が宿るインテリア
  • 日産 エルグランド オーテックライン:乗る者すべてに深い充足感を与える、おもてなしの心が宿るインテリア
  • 日産 エルグランド オーテックライン:ゲストを優雅に迎え入れるため、細部まで計算し尽くされた室内設計
  • 日産 エルグランド VIP:大きく開くスライドドアが、VIPの乗降をさりげなくサポートす
  • 日産 エルグランド VIP:足元を照らす上質なステップが、日常の移動を特別な儀式へと変える
  • 日産 エルグランド VIP:暗闇に浮かび上がる光の演出が、オーナーの所有欲を静かに満たす
  • 日産 エルグランド VIP:機能と美しさを高次元で両立させた、日産の新しい意思を感じる1台
  • 日産 エルグランド オーテック:湘南の海面の煌めきをドットパターンで表現した洗練のフロント
  • 日産 エルグランド VIP:細部の質感にまでこだわり、引き算の美学を体現したフロントマスク

自らステアリングを握りたくなるプレミアムなミニバン

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語ってくれるのが「Key’s note」です。今回のお題は、日産の新しい息吹を感じさせる日産「エルグランド オーテック」についてです。王者に挑む堂々たる体躯と、和の思想を取り入れた洗練のデザインが魅力です。運ばれるだけでなく、自らステアリングを握りたくなるフラッグシップミニバンの魅力と、日産復活の確かな予感に迫ります。

オーテックのフラッグシップに相応しい高級ミニバンの枠を超える華やぎと力感

「日産が、再び鼓動を取り戻し始めました」。
NMC(日産モータースポーツ&カスタマイズ)が手掛けた新型の日産「エルグランド オーテック」は、そんな予感を抱かせます。

まず目に飛び込んでくるのは、その堂々たる体躯です。オーテックのフラッグシップに相応しい威厳は、もはや高級ミニバンという既存の枠を軽々と飛び越えています。日本の道を、単なる交通インフラではなく、ちょっとした舞台へと変えてしまうような華やぎと力感があるのです。

ライバルは明白です。国内ミニバンの王者であるトヨタ「アルファード」と、トヨタ「ヴェルファイア」です。この二強に真正面から挑むだけの力感を備えながらも、どこか微笑んで受け流すような余裕があります。

プレミアムでありながら、どこかスポーティ。その佇まいは、運ばれるクルマという受動的な存在ではなく、自ら乗りたくなるクルマへと昇華しているようです。ゆえにターゲット像も微妙に異なります。官公庁の送迎車というより、むしろ週末の別荘へと向かう家族や、自らハンドルを握りたいオーナーの姿が似合います。

「後席に座るためのクルマ」から「前席に座りたくなるクルマ」へのシフトです。ここに、日産の新しい意思が垣間見えます。

湘南の海を思わせる洗練されたエクステリア

実際にベースとなる日産 エルグランドのドライブを終えていますが、その出来栄えの素晴らしさはすでに確認しています。

今回、エルグランド オーテックとして確認できたのはエクステリアのみですが、その仕立ては実にオーテックらしいものです。湘南を本拠とするブランドらしく、フロントグリルには海面の煌めきを思わせるドットパターンを採用し、これを職人の手によって仕上げています。さらにフロントプロテクターに組み込まれたLEDシグネチャーが、波間に反射する光のような清涼感を演出します。

前後にあしらわれたメタル調フィニッシャーも、伝統的なオーテックの作法です。ただし、これまでお約束だったメタル調サイドスカートは採用されていません。この引き算が、かえって洗練を際立たせているのが面白いところです。

デザインの根底にあるのは、過剰な主張を避けた“和”の思想です。昨今、エッジを効かせたいわゆる“ガンダム系”デザインが街を席巻しているものの、このエルグランドはそれに対する静かなアンチテーゼのように映ります。

尖らず、騒がず、しかし確実に存在感を放ちます。まるで上質な日本の神社仏閣のように、佇まいは穏やかですが存在感が際立つ。そんな印象なのです。

さりげない特別感と「そろそろ本気」な日産復活の予感

とはいえ、すべてが穏やか一辺倒というわけではありません。新型エルグランドにはVIP仕様も用意されます。ブラックの本革内装は、役員車としての威厳をしっかり担保するでしょう。

一方で、オーテックラインはあくまで“さりげない特別感”に留められています。派手な主張ではなく、細部の質感で語るあたりが実に粋です。乗降を優雅にサポートするステップタイプの存在も、使い手への気遣いとして効いています。

総じて、このクルマには「日産復活」の匂いがあります。かつての勢いを知る者にとって、それはどこか懐かしく、そして新しい。狼煙はまだ小さい。しかし、確かに煙は上がっています。風向きさえ間違えなければ、その火はやがて大きく「ブランド復活」へと燃え広がるでしょう。

日産は今、再び面白くなりそうです。少なくとも、このエルグランドはそう囁いています。静かに、しかし確信をもって。「そろそろ本気を出そうか」とでも言いたげに。

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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