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妻の一言で「120万のAT車」購入! 14年目コペンを「極上ツアラー」へ育て上げた本気の「改造物語」

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TEXT: 賀川 真弥(KAGAWA Shinya)  PHOTO: 賀川 真弥

8月に生産終了する880Kコペン 自分らしさを詰め込んだ純正らしさと手数へのこだわり

「Keep it OPEN.」

2026年8月をもってコペンの現行モデルが生産終了を迎えるにあたり、そのコペンを愛するユーザーに向けたファンイベントが2026年5月16日、富士スピードウェイにて行われた。定員1000台のところ申し込みはおよそ2700台。抽選を経て、当日は全国から976台のコペンが集結した。その1台1台にオーナーの物語がある。今回ピックアップするのは、14年目の880Kを自分の理想形へと磨き上げてきたMさんの愛車だ。

ランドクルーザーからのまさかの乗り換え秘話

Mさんの愛車は2012年式の880Kコペン アルティメットエディション。購入から約6~7年が経つ。そんなMさんの前車は150系前期のランドクルーザープラド。約10年ほど所有していたが「大きいクルマにずっと乗っていたので、次は小さいクルマが欲しくなったんです(笑)」。

乗り換えを決意する日は唐突に訪れる。
「近所をプラドで走っていたら、目の前をコペンがスーッと軽快に駆け抜けていったんです。で、勢いに任せるように妻に『コペンが欲しいんだよね』って言ったんです。その時の反応は『ふーん』でした(苦笑)」。
しかし一度火が付いた想いは簡単には消えない。日に日にコペンへの憧れは強くなり、程なく中古車探しを開始。埼玉県内にある中古車店にある60~70万円ほどのMT車を妻とともに見に行った。

ところがそこで思わぬ展開が待っていた。「妻がATがいいって言い出したんですよ!」。見に行ったMT車は予算内。しかしAT車(現車のアルティメットエディション)は約120万円。「値段を見て正直びっくりしましたが、うちの金庫番は妻。指示に従いました(汗)」。納車後、その奥さまはほとんど運転せず、助手席専門になりつつあるという。

見た目はそのまま中身だけを磨き上げた足元と外装

納車後は派手なエアロや極端なローダウンはおこなわず、汎用のゴム製リップを購入してDIYにてカットして両面テープで固定。あと少しの低さを賄っている。「純正デザインそのものが好きで、見た目を少し引き締められればいいと思って付けました」。

外観の手数を抑えるぶん、中身にはしっかりと手を入れている。Mさんが車両づくりで大切にしているのは“快適な乗り心地”だ。購入後しばらくすると、経年による足まわりのヘタリが気になり始めた。そこで導入したのがショウワチューニング製サスペンションキット。ショックアブソーバーとスプリングをセットで交換し、セッティングは千葉県のコペン専門店「わだち」に依頼。「ヘタって車高が下がっていたので、交換したら逆に車高が上がった気がします(笑)」とMさんは笑う。それでも本来の乗り味を取り戻したことで、軽快なハンドリングに満足の様子。

足まわりの変更にとどまらず制動面にも気を配り、ブレーキはDスポーツ製スリットローター&スポーツパッドに変更。また、6本スポークのホイールはレイズTE37。軽量鍛造ホイールの代表格ともいえる存在で、コペンとの相性も抜群。派手さではなく、本物志向の選択が光るポイントである。

遠征をいとわないエンジンとシートのこだわり

Mさんの行動力を象徴するのがECUチューニング。エンジンを制御するコンピュータのデータを書き換え、燃料噴射量や点火時期を調整することで、本来の性能を引き出すメニューである。納車から約1年後、兵庫県にあるコペンチューニングの雄、ハーフウェイの門を叩いてECUを導入。通販ではなく、「兵庫まで行こうか?」と妻を誘い、ドライブがてら行ってきたというからそのバイタリティには驚く。関東から兵庫までのロングドライブを楽しみながら、1泊2日で現地でセッティングまで済ませて帰京。コペン好きなら一度は訪れてみたいショップへ、旅行感覚で足を運んでしまうのも楽しい思い出だろう。

ECU変更以外もアップデートしており、HKS製パワークリーナーに大型インタークーラー、タービンへ誘うパイピング類もHKS製を装備する。タービンも自身で変更しており、「ハーフウェイさんから出ている純正ベースの加工タービンです」。エキゾーストポート拡大加工済みのタービンキットを備えている。マフラーは経年劣化によって穴が空いてしまったという純正からHKS製へと交換。

兵庫まで自走してしまうフットワークを支えているのが、セミバケットシートのレカロSR-7だ。シートレールもローポジションを選択してドライビングポジションを決める。長距離ドライブでも疲れにくく、ワインディングではしっかり身体を支えてくれる。

「イジれる楽しさ」が旧型コペンの魅力

今後のカスタムの予定を聞くと
「とりあえずないです(笑)。純正のフォルムが好きなので!」。すでに完成形に近いとも思えるが、「旧い型だから自分でイジれるのが楽しいんですよ。ただ外見はガチャガチャさせたくないんです。しいて挙げるなら、もう一度ハーフウェイさんに持って行って、ECUを調整してもらおうかなと思っています(笑)」。
イジる要素はまだまだあれど、あえて触らない。手数を抑えた大人のカスタム。それがMさんの880Kの魅力なのだ。

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