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あなたは「モモ」派、「ナルディ」派? 昭和のクルマ好きが「ハンドル交換」したワケ

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

マニアから注目された「モモ」と「ナルディ」

 そんなステアリングホイールで人気を二分していたのが「モモ」と「ナルディ」。いずれもイタリアのブランドで、モモはF1を始めとしたモータースポーツシーンで広く名を知らしめたのに対し、ナルディはランチア、フェラーリといった名門自動車メーカーが採用することで、マニアから注目されるようになった。ナルディのカタログ

 ちなみに“momo”の名はレーサーであり創業者のGianpiero MorettiとサーキットのMonzaに由来、ナルディのシンボルマーク“ND”は創設者Enrico NardiとそのビジネスパートナーRenato Daneseの名からとったものだ。モモのカタログ

 ところで日本でも70年代に入った頃にはモモとナルディはマニアの間で“どちら派か”が話題になっていた。……そう書くといささか大袈裟だが、少なくとも筆者が運転免許を取った1977年頃、クルマ好きのまわりの友人はこぞって(競って?)自分のクルマのステアリングホイールをモモかナルディ(パーソナルという友人もいた)に替えていた。

 概ねスポーティで走りの指向が強い友人はモモ、雰囲気重視ならナルディといったところか。筆者は自分のクルマがいすゞ117クーペだったので、イタリアンクーペの雰囲気を楽しむためにナルディを合わせ、初代ピアッツァ・ネロや中古で買った初代シロッコではセンターパッド付きのmomoを付けたりした。モモのカタログ

「ナルディ」は繊細なステアリングフィールが伝わるのが特徴

 ナルディは3本スポークのデザインがおなじみだが、サイズ(33、36、38cm)やウッドかレザーか(レザーもブラックのほかに確かキャメル色などあった)、スポークはどのタイプか(ポリッシュ、シルバー、ブラック)と、案外と選択肢は広かった。ナルディはリムがやや細身で、いかにも繊細なステアリングフィールが伝わるのが特徴。後にラインアップ、デザインを拡充させ、ジウジアーロデザインのモデルなどもあった。ナルディのカタログ

「モモ」はドライビンググローブを嵌めてしっかり握りながらクルマを走らせる

 一方でモモは、モータースポーツ由来らしくリムはやや太めで断面形状もほぼ新円、しっかりしたステッチがレザーの表面からやや浮き上がっていて、どちらかというと素手よりドライビンググローブを嵌めてしっかり握りながらクルマを走らせる……そんなタイプが多かった。

 代表的なのは丸穴開きのT字型3本スポークや、センターパッド付きの“コブラ”などが人気モデル。ほかにポルシェデザイン、ピニンファリーナ、ベネトンなどのコラボモデルも。またシフトノブも多数のラインアップが用意され、今でも人気がある。モモのカタログ

 よく言われるように、ステアリングホイールはクルマの運転中に常に触れているパーツ。だから機能的に重要だが、自分とクルマとの接点としても大事なもの。だからこそクルマ好きなら、自分と愛車の関係性をより深めたい思いから、好みのステアリングホイールを選ぶのかもしれない。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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