機関系のメンテナンス
バッテリー:充電量を確認
夏に限らず、クルマの電装品にとって要になる部品がバッテリーだ。バッテリーガダメだとエアコンやオーディオなどが作動しないだけでなく、クルマを始動することすら困難。炎天下&猛暑の中、立ち往生するのは快適どころの話ではない。しかもバッテリーへの負担は高まるばかりで、日頃からのメンテが重要になっている。
最近の特徴は「突然死」。輸入車のバッテリーは電流量の関係で昔からそうだったが、国産車のアイドリングストップや充電制御対応バッテリーも同様のトラブルが見られるようにもなってきた。突然寿命が訪れるので対策は難しいが、インジケータを覗いてみて充電量の確認や外観のチェックといった基本的な点検を怠らず、さらに時間と距離で交換を管理することも大切。アイドリングストップ&充電制御対応のバッテリーは価格が高いが、非対応バッテリーを選んでトラブルの原因になったり寿命が短くなってしまっても意味がない。
バッテリー選びは、カー用品店に行くと同じサイズでも価格が異なったものがたくさんあって迷うばかり。その際は保証期間を目安にしよう。保証期間=性能というわけだ。
エンジンオイル:低年式の車両は注意
オイルは高温になると粘度が落ちるというのはよく知られている。酷暑や猛暑だからと言って粘度を変える必要はないものの、オイルへの負担はかなり大きいのも事実。ちょっと前までは0W-20でも超低粘度だと思っていたが、現在は0W-16など低粘度化が進んでいる。中身はまるで水のようにサラサラだ。
おろしたての新車なら指定のままでいいとして、問題は摩耗が進んだクルマ。5万kmをひとつの目安として、エンジン保護のために粘度を上げてやるといい。とくに夏は効果的なので、10万kmに向けて労りたい。
ちなみに昔は夏と冬とで粘度を変えるのが当たり前だった。エンジンオイルの性能自体もよくなったので、冬場に硬めの粘度を使うと明らかに始動性が悪くなったもの。逆もまた然りで、夏場に柔らかいモノを入れると車両の劣化具合によっては煙が出ることもあった。
冷却水:量だけは確認しておこう
実感はないが冷却水まわりも大きく進化している。ちょっと前までは車検ごとに入れ替えていたが、最近は新車から16万km走行後が交換指定だったりする。「スーパーLLC」というものが使われており、16万km使えるのはこのおかげでもある。エンジン自体の質が向上しているのもあるので、昔のクルマに入れても超ロングライフにはならない。ほぼ無交換だけに目に見えて汚れることはない。 しかし蒸発するし、別のトラブルが発生している可能性があるので量だけは見ておこう。ちなみに水道水を入れると錆や水アカが発生するので緊急時に使う以外は避けたほうがいい。
ワイパー:シーズン前には交換
ゲリラ豪雨が襲って来れば大活躍。酷暑だと使っていない時もヘタリやすくなるから注意が必要だ。ワイパーゴムは日光で熱せられたガラスの上に乗っているので劣化が進行するのも当然。点検だけでなく早めの交換が重要だ。安いものなので思い切ってシーズン前に新品にしておこう。 またウォッシャー液も何かと使う季節だけに量を点検しておく。夏は蒸発しやすいので水で希釈して濃度を薄めにしても構わない。
まとめ:暑くなる前にきっちり対策しておこう
いかがだったろうか。いずれもやる気さえあれば特別な知識、技術がなくてもチャレンジできるメンテナンスと言えるだろう。コロナ禍で「おうち時間」が増えている現在、空いた時間にぜひ愛車を労ってほしい。きっとさらに愛着が湧くはずだ!