スポーティモデルが増えてSiRは減少していく
そして変わり種というわけではないが、6代目アコード&初代トルネオに「SiR」、「SiR-T」というモデルが設定されていた。ATが「SiR」、MTが「SiR-T」という設定。ATが180ps仕様、MTが200ps仕様のF20B型2.0L直4DOHC VTECエンジンを搭載したモデルで、4ドアのスポーツ・セダンとして人気を集めた。
その結果、マイナーチェンジでH22A型直4DOHC VTECエンジンの「ユーロR」が追加され、快適性を犠牲にしない走りモデルとして地位を確立。2.0L DOHC VTECの「SiR」も継続販売されたのだが、サーキットベストの「タイプR」と対をなすようなストリートベストの「ユーロR」が生まれたことで、「SiR」の存在感は薄れゆくことになってしまう。
つまり、「Si」から生まれた一段とスポーティな仕様が「SiR」。タイプRのストリート仕様が「タイプS」や「ユーロR」と言えるだろう。
F1も撤退してBEVにシフトを進めるホンダ。今後もカリカリのホットな「タイプR」はしばらく存在するであろうが、街乗りスポーツの「Si」「ユーロR」系は登場しないだろう。「タイプR」のように派手な外観を持たず、見た目普通で走りがすごい、そんな「Si」系の使命は終わってしまったのだ。
「Si」系のオーナーは、5月に支払う税金が高くても買い替えるクルマに迷っていることだろう。だが、同志は大勢いるに違いない。