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走りもいいし進化もしてる! 不人気車の烙印が残念すぎる「不遇の」2代目ロードスターとは

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: マツダ/Auto Messe Web

  • NBロードスターの走り

  • NBロードスターの走り
  • 初代から3代目
  • NB型のエンジン
  • ロードスタークーペ
  • ロードスターターボ
  • ターボのリヤ
  • WEB TUNE ファクトリー仕様
  • NB型ロードスターのシャシー
  • NB型の走り
  • 初代から3代目までの走りのイメージ
  • NB型ロードスターのスタイリングイメージ
  • マイナーチェンジ2000年型

偉大な兄「NA型」とどうしても比べられてしまう

 2代目となるマツダ・ロードスターの開発は非常に厳しい状態だったと思う。世界的ヒットを飛ばした初代NA型に対しての2代目だから大変なのは間違いないのだが、2代目登場はバブル崩壊後。ユーノス・ロードスターが登場した1989年はバブル期で、ライバル不在のブルーオーシャンだったのに2代目はライバル達が乱立するレッドオーシャンだったのだからたまらない。

初代から3代目

先代のコンセプトは確実に受け継がれている

 そこで初代の長いモデルライフから生まれた2代目NB型は、「人馬一体を」変えないことを重視していたように思う。

NB型ロードスターのスタイリングイメージ

 まずシャシーは基本のNA型から引き継ぎ、車体中央の、パワーユニット(エンジンと変速機)とファイナルドライブ・ユニット(デフケース)パワー・プラント・フレームも健在。サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン式で継承されたが、前側クロスメンバーの追加でロールセンター高を低く抑えることに成功。トレッドの拡大やスタビライザー径を太くしたことで、ショックアブソーバーなどの自由度が増して、乗り心地と回答性の両立がうまくなり、チューニングの幅が広がったともいえる。

NB型ロードスターのシャシー

 ボディは、衝突安全性を考慮した高剛性と衝突安全性に寄与する「MAGMA」を採用。初代NA型から得られたデータを徹底的に解析し、各部の肉厚や補強を再検討。結果ボディ剛性を大幅に高めながらもホワイトボディ(エンジン等を除いたボディのみの重量)で僅か6kgの重量増加とロードスターの必須項目を確保した。

 エンジンは、初代NA6型1.6Lのデビュー以降の1993年にNA8型で1.8L直4となったが、NB型では引き継いだ1.8Lと、1.6Lを再設定。初代NA型1.6LがB6-ZE型(120ps/14.0kg-m)、1.8LがBP-ZE型(130ps/16.0kg-m)であることに対して、NB型では吸排気系や圧縮比を見直している。1.6LのB6-ZE(RS)型が125ps/6500rpm、14.5kg-m/5000rpm、1.8LのBP-ZE型(RS)が145ps/6500rpm、16.6kg-m/5000rpmへと進化。変速機も1.8Lには6速MTが組み合わされて、楽しさや魅力が高められている。

NB型のエンジン

可変バルタイやボディ剛性の向上など進化

 2000年には通称NB2型へと進化を果たしており、1.8LのBP-VE型エンジンには可変バルブタイミング機構のS-VTを追加し、160ps/7000rpm、17.3kg-m/5500rpmを発揮。さらなるパワーアップとボディ剛性の向上、16インチタイヤによる人馬一体へのあくなき追求の姿勢は、開発陣のロードスターへの愛を感じさせるもの。

マイナーチェンジ2000年型

 おそらく開発陣は、一度ロードスターを中止してしまったら二度と作ることができない。作り続けることが何よりも大切と、開発を続けたに違いない。マツダのロードスターは世界中で愛されている。そのコアなファンに負けない愛情を注ぎこむ作業が続いたことだろう。

 2代目で消滅してしまったら「あんなクルマもあったね」と、歴史の一部になってしまう。もちろんそれも歴史に残る仕事であるが、過去の出来事にしてしまうのは非常に惜しい。「人馬一体」を3代目に繋ぐ。そんな気持ちで改良を続けたに違いない。

ターボモデルやクーペなど派生モデルも登場

 ロードスターを継続させるために、さまざまな挑戦もなされている。2001年にはウェブサイトで自分好みの仕様が選べる「WEB TUNEファクトリー」で好みの仕様のオーダーが可能になったほか、モータースポーツ向けの「NR-A」も設定。2002年にはNB3型となって、クロス生地のソフトトップの設定や排ガス性能を向上させた。

WEB TUNE ファクトリー仕様

 モデル末期の2003年に屋根が開かない10月発売のロードスター・クーペと、12月発売の初のターボモデルが発売され、ユーノスから始まったマツダのロードスターを作り続けるための模索もなされていた。こちらはマツダE&Tという別会社が開発を行ったのだが、クーペは顔違いの三種が設定され、ターボエンジンも172ps/21.3kg-mを発揮。2代目ロードスターの最後を飾るようなモデルが発売されたが、残念ながらヒットモデルとはならなかった。

ロードスターターボ

 この当時は、マツダは新しいデザイン言語でアテンザやアクセラのようなスタイリングに変更されるから、2代目ロードスターを買っておけ! といった風潮はあったようだが、市場は知っていたのだ。「マツダがロードスターをあきらめるはずがないと」。NB型は現在ではヒットモデルの印象は薄いが、しっかりと3代目NC型へとつないだのだ。

 それゆえにターボもクーペも素晴らしいスポーツカーだったことだけは知ってほしい。ターボの出力は速さだけではなくて、余裕を持つ。持て余すのも楽しみひとつという提案で、「ロードスターは遅いから後ろからつついちゃえ」などという車両に対してアドバンテージになった(テクニックがある人ならターボ無しでも大丈夫かもしれないが)。

ターボのリヤ

 クーペは人気のロードスターをいまさら所有するには、なにか違いが欲しい方向けか? ちょっと他社をリスペクトしすぎたような仕様もあったが、カスタマイズの世界での影響もあって、参考にした方もいるだろうし、後のリトラクタブル・ハード・トップにつなげられている。ロードスターは、ユーザーが自由に楽しめばよいことを周知した功績は残り続けるのだ。

ロードスタークーペ

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