日産「フェアレディZ」「スカイラン」「シルビア」に選ばれた名機「L型エンジン」のチューニング界でも愛された理由とは? (2/2ページ)

プライベートチューナーにも愛されたL型エンジン

 L型が最強最速のエンジンになり得たのは、前記のようにブロックをはじめエンジン全体が丈夫だったこと。そして構造がシンプルでパーツが多かったことが大きい。そしてもうひとつ、排気量が大きかったことも大事な要素だ。

 エンジンのトルクは基本的に排気量に比例する。そういう意味で、2LのDOHCでも、3LのOHCにはトルクではかなわない。L型エンジンはノーマルでも最大2753 cc(L28)の排気量があり、その上、エンジンブロックが肉厚なのでボアアップに耐えられるポテンシャルがあった。

 しかも、L28にLD28のクランクシャフトとL14型コンロッドを入れてストロークアップし、ホンダのXL500(バイク)の89φのピストンを流用して組み合わせると、3.1L仕様へ簡単にチューンができた。大パワーを引き出すのに最適なエンジンだったというわけだ。

 ボアアップして大排気量化しても、まだターボ化できるエンジン強度があったので、L28改のキャブターボチューンでも、1980年代で600馬力近いパワーを引き出せた(NAでも300馬力オーバー)。

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 また直列6気筒エンジンは、クランクピンの位相を2気筒ずつ、3等120度間隔に配置できるので、一次振動と二次振動を同時に消せるので高回転化にも向いているし、何より音も揃って気持ちがいい。ちなみにL型の「L」は、「In Line」(直列)の「L」から命名されたと言われている。

 そして、日産の直6で名機といえば、第二世代GT-RのRB26DETTが代表的だが、そのRB26のベースとなったRB20は、エンジンの性格を決めるボア・ストロークをL20からそのまま引き継いでいる。そのことからもL型エンジンの基本設計の優秀性がわかるはず。

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 1965年から20年間、多くの車種を支え、ワークスからトップチューナー、そしてプライベートチューナーにも愛された、「技術の日産」が送り出したL型エンジン。ノーマルでは重くて凡庸なエンジンとも言われたが、強くて、安くて、伸び代がたっぷりあった直6としては、比類なきエンジンとして記憶され続けるだろう。

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