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ホンダ「シビックタイプR」で「エコカーカップ」に参戦! ユルくて厳しい3時間耐久レースの魅力を体験してきました

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一 協力:PARTS.CO.JP/富士スピードウェイ

富士スピードウェイで開催の「ECO CAR CUP 2022 SUMMER Festival」

 F1グランプリや、ル・マン24時間レース、国内でもスーパーGTといったさまざまなモータースポーツは、日本車や日本人ドライバーの活躍に一喜一憂したり、誰それが勝った、来年からはドコがレースに復帰するらしいといった話題もニュースになり、クルマ好きならずとも身近な存在となっている。

 だが、それは「観戦を楽しむスポーツ」というのが、ごく一般的な感覚ではないだろうか。なにしろ専用のレーシングスーツやヘルメット、シートベルトなどの装備も、「普通のクルマ」とは違うものだし、費用もかかりそうだ。さらには、そもそもレーシングカーなんて、どこで売ってるの? という話である。

ゴルフに行くような感覚でサーキットを走れるレース?

 そうしたなか、「ゴルフに行く感覚で楽しめるレースがあるんだけど、一緒に出てみない?」と、エアロワイパーやルーフボックスなど色々な自動車パーツを販売している会社「PARTS.CO.JP」の代表・軍司さんよりお誘いを受けた。それが、「より安全に」「より速く」「より低燃費に」をテーマに、2010年から行われている「Eco Car Cup(エコカーカップ)」だ。

 これは富士スピードウェイの主催で、現在2月と8月の年間2度行われているレース。省燃費技術が採用されているエコカー(軽自動車を除く)による3時間耐久競技の「Challenge 180」と、軽自動車も参加できる1時間の耐久競技「Enjoy 60」という2種目からなる。

 時間内の「速さ」を競いつつも、「燃費」の換算ポイントを加算して総合順位を決定するため、「スムースな運転」が要求される。絶対スピードだけの追求ではない「競技」なのだそうだ。

 そして面白いことに、このレースはドライバーとコドライバーの2名で乗車走行。速さと燃費をチームワークによりバランスさせて上位入賞を目指すというルールとなっている。

3時間耐久レースに3台チームでエントリー

 ということで2022年8月20日(土)に富士スピードウェイで開催された「Eco Car Cup 2022 Summer Festival」の3時間耐久レース「Challenge 180」に参加することになった。チーム代表の軍司さんが飲み屋で友達になった人たちに声をかけて集まったメンバーは、なんと総勢19名の大所帯。さすがに、この人数で1台のマシンを3時間の間に順次ピットインしていたら、もう勝負にはならない。そこで、FK8型ホンダ「シビックタイプR」(MT)、トヨタ「GRヤリス」(MT)、トヨタ「ヤリス ハイブリッド」(AT)という3台の布陣で臨み、それぞれのクラスでの勝利(もちろん総合優勝も!)を目指すことに。筆者はシビックタイプRのチームだ。

 このエコカーカップのクラス分けは、車種に合わせてガソリン車が4クラス(G-1~G-4)、ディーゼル車が2クラス(D-1~D-2)、ハイブリッド車7クラス(HV-1~HV-6、SHV、プラグインハイブリッドが「プリウスPHV」のみの1クラス(PHV)と、全部で14のカテゴリーに細かく分かれて戦う。どんな車種でも楽しみながら総合優勝を目指すことができるのである。シビックタイプRはG-3クラスで、トヨタ「86」やVW「ゴルフR」、ルノー「ルーテシアR.S.」などがライバルだ。

富士のピットを使って広々とレースを楽しめる

 エコカーカップ当日は、早朝6時にチームメイトたちと待ち合わせして、富士スピードウェイに到着。ピットがそれぞれあるのは、最高に気分がいい。さらに配られた大会スポンサーのステッカーやゼッケンサークルを指定された位置に貼っていくとシビックタイプRがレーシングカーの装いとなり、さらに気分が高まっていく。

 各ピットでは牽引フックが正しく装着されているか、不要な荷物が室内に残されていないか、ヘルメットなどの装備品が人数分あるかを車検検査員さんにチェックしてもらい、いよいよ慣熟走行を兼ねた予選開始となる。

 この3時間耐久レース「Challenge 180」では、1周する最短ラップタイムは3分15秒、ピットインは5回が義務づけられ、最低50周という規定周回数も設定されている。周回数重視で走行すると燃費が不足し、燃費を重視すると周回数が不安になるという、そのバランスをどこで保ちながら上位を目指すのか? 思うようにいかないもどかしさ、難しさが入り混じり、それがエコカーカップの楽しさの理由なのだろう。エコラン、ドライビング、それをサポートするコドライバーのナビゲーション、ピットワークといった、それぞれの要素がこのレースの醍醐味となっている。

予選で全力のタイムアタック! ところが……

 そして、いよいよ予選開始。ドライバーはチーム監督兼エースドライバーの軍司さんで、筆者はコドライバーとして助手席に乗り込みコースイン。このようにずっとペアでの走行となるので、初めて参加する人でもドライバーの前にコドライバーを体験すれば、なによりのリハーサルだ。軍司さんはさすが経験者で過去には上位入賞も果たしているだけあり、コースそれぞれのポイントを設定タイムで通過していく。高低差のある富士のコースで、ホームストレートなど下り道ではギヤをニュートラルに入れて惰性で走行するなど、燃費を考慮した走りをしながらの運転は大したものである。

 そうしたポイント通過時間の早い遅いにより、3分15秒にいかに近づけて正確に周回するかを、コドライバーが速い遅いとペースを読み上げサポートする。こうした掛け合いも楽しい。

 数周しペースを上げるドライバー軍司さん。なんでも決勝グリッド位置はラップタイム順だということで、1周の速さを求めた走行のタイムアタックを敢行した。ところが、じつはこれが昨年までのルールで、今年からは決勝同様に3分15秒を切ってはならず、3分15秒000を先頭に順位を決定。基準タイムより速い走行をしたマシンは下位グリッドとなる。それを知らずに「一番時計だ! グリッド1位だ!」と喜ぶチームメイトたちだった……。

 われらがシビックタイプRの決勝グリッドは、もちろん一番後ろ。25番ピットから57番グリッドは遠いのなんの。しかもヘルメットをピットに忘れてしまい、筆者は炎天下で2往復。グリッドのひとつ前に並ぶマシンは、われわれと同じく3分6秒台で走行したチーム、きっと同じミスだったのだろう。

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