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「世界最高のクルマ」を精巧すぎる京商1/18モデルで再現! 「ロールス・ロイス」黄金の歴史を振り返る

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循/ROLLS-ROYCE MOTOR CARS

伝統のモデル名の由来は、圧倒的な静粛性から

 ロールス・ロイスの名声を決定づけたのは、1906年にロンドン・オリンピア・ショーでデビューした6気筒7Lの「40/50」だ。プロモーション用に用意されテスト・ドライブに供された車両はシルバーに塗装され、その高い静粛性は音もなく忍び寄る幽霊にも例えられたことから、当初はその個体が「シルバーゴースト」と呼ばれたが、のちにその名は6気筒7L(のちに7.4L)40/50系の全体を指す車名となった。

 また1922年には、シルバーゴーストの半分ほど、3.1L OHVエンジンを搭載した「ベビー・ロールス」と呼ばれたひとまわり小型の「20HP」(トゥエンティー)がデビュー。自らステアリングを握るオーナー・ドライバーを中心に好評を博した。

 20年近く作り続けられたフラッグシップモデル、シルバーゴーストに変わるニューモデルがデビューしたのは1925年のこと。「ファントム」と命名されたその新型モデルは、シルバーゴーストの最終型シャシーをベースに、新開発の直列6気筒OHV・7.7Lエンジンを搭載。ファントムは1929年にはファントムII、1935年にIII、戦後の1950年にはIV、1959にV、1968年にVI……と進化を続け、世界の王侯貴族に欠かせない唯一無二のステータスを築き上げていった。

真の最高品質を貫いてきた矜持が数々の伝説を生んだ

 その高い耐久性・堅牢性から、シルバーゴーストが装甲ボディをまとって装甲車として活躍したエピソードは有名だ。また、かつてのロールス・ロイスは伝統的にエンジンの出力を公表してこなかった。メーカーの公式発表値は「必要にして十分」というもの。また「走行中、聞こえてくる一番大きい音は時計の音」とか「歴代モデルのトランクがバンパーのすぐ上から開くのは、富豪のトランクは大きく重いから」。さらには、砂漠の真ん中で故障したらヘリコプターでメカニックが駆けつけ、その後いつになっても修理の請求書が届かないので問い合わせたら「弊社のクルマは故障しません」と言われたとか、その手の都市伝説の類まで含めたら、ロールス・ロイスにまつわる逸話は枚挙にいとまがない。

「最高の品質と技術で製作された良品は、結果的に最も経済的である」と、その時代に考えうる最上の技術と最高の職人技、なによりも作り手の良心が惜しみなく注ぎこまれ、自動車というよりも「珠玉の工芸品」としての歴史を紡いできたロールス・ロイス。「The Best Car ㏌ the World」を標榜し、その実現に心血を注いだふたりの「R」。創業者が世を去り、ブランドの所有者がドイツのBMWになった今でも、フロントのパルテノン・グリルにRRのエンブレムとフライングレディを掲げたクルマは、単なる「高級車」という一言では括れない、ひときわ特別な存在なのだ。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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