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絶好調ランボルギーニの処女作「350GT」とは? エンツォも悔しがったツインカムV12にアルミボディを採用した意欲作でした

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

カロッツェリア・トゥーリングの活動休止とともにモデルライフが終了

 350GTを1963年にリリースし、メーカーとしての第一歩を記したランボルギーニは、次なる一手としては350GTのアップグレード版を用意することになりました。それが1966年にリリースされた400GTです。これは350GTの後継モデルではなく、アップグレード版。

 それが証拠に、400GTがリリースされたあとも、350GTは1967年まで継続して生産されています。そんな400GTと350GTの一番の相違点はエンジンです。350GTは3464ccの60度ツインカムV12を搭載していましたが、400GTでは排気量を3929cc(ボア×ストローク=82.0mmφ×62.0mm)にまで拡大し、最高出力も330psに引き上げられていました。またトランスミッションは350GTではZF製でしたが400GTではランボルギーニのオリジナルに変更されています。

 ボディも基本的には350GTと同様でカロッツェリア・トゥーリングで製作されていますが、外販パネルが350GTのアルミパネルからスチールパネルに変更されていて、ヘッドライトも350GTの2灯式から400GTでは4灯式に変更されていました。またホイールベースを100mm、全長を140mm延長し、全高を50mm高くした400GT 2+2がラインアップされているのも400GTの大きな特徴です。

 400GTと400GT 2+2の具体的なボディサイズ(全長×全幅×全高)とホイールベースは、400GTが4500mm×1730mm×1220mmで2450mm、一方の400GT 2+2は4640mm×1725mm×1270mmで2550mmとなっています。350GTと同様にカロッツェリア・トゥーリングがボディ生産を担当し、1966年の登場から1968年までに23台の400GTと224台の400GT 2+2が生産されました。

 多くのメーカーが車体の製造まで社内で行うようになったことから、カロッツェリア・トゥーリングは苦境に立たされることになりました。そして1966年の12月末日をもって活動を休止することに……。彼らが活動を休止したことによって、400GTの生産は1968年で終了しました。

 そして同年のジュネーブショーで発表されたイスレロが後継モデルとなっています。3929ccの60度ツインカムV12を搭載する2+2シーターの2ドアクーペというコンセプトは400GT 2+2と同様ですが、イスレロはスタイリングが一新されていました。350GTや400GT、同2+2は個性的なスタイリングも大きな特徴でしたが、イスレロはヘッドライトがリトラクタブル式とされるなど、ある種没個性的でした。

 それでもフェルッチオ・ランボルギーニが自らデザインしたスタイリングは、ランボルギーニのファンからは熱視線が送られていました。カロッツェリア・トゥーリングに代わって小規模なカロッツェリア・マラッツィが製作を担当することになりましたが、2年間で225台が生産されていて、400GT 2+2と同等の販売実績が記録されていることからも、その人気の高さは伺えます。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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