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トヨタ「アルファード」の弟分「エスクァイア」は今どうなった? 兄弟の「ノアヴォク」と一線を画すオトナの世界観が魅力的でした

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人/トヨタ自動車

2022年1月で引退となったトヨタ「エスクァイア」

「エスクァイア(Esquire)」……初めてこのクルマの車名を聞いたとき、まず思ったのは「あの雑誌と同名でいいのか!?」ということだった。詳しい事情はまったく知らないが、大のトヨタがやることだから一切なんら問題なく実行できたことだったろうし、そもそも雑誌とクルマというカテゴリー違いのネーミングであれば商標権的にも問題なかったはず。まあ個人的には、すでに世の中で広く知られているネーミングをあえて使う勇気というか判断はなかなか凄いなぁ……などとチラッと思ったものだが。

「ノアヴォク」第3の兄弟が目指したのは「ひとつ上」の高級車

 いずれにしてもエスクァイアは、2014年1月に登場した3世代目の「ノア」/「ヴォクシー」とコンポーネンツを共用して生まれた第3の兄弟車として誕生した。ただし登場は「ノアヴォク」からは少し遅れた、同じ2014年10月のこと。

 この際に開催されたプレス向けの試乗会に参加した時のことはよく覚えているが、場所はつい先ごろ残念ながら閉館したという観音崎京急ホテル(2023年に別のホテルにリニューアルされるのだとか)、参加当日は少し冷たい秋雨がそぼ降る午後で、細かな雨粒が試乗車のメッキのフロントグリルについてまとまっては流れていくのを、構えたカメラのファインダー越しに見ていた覚えがある。なのでごく個人的には「妖艶ないしは孤高で憂いを帯びたクルマ」のイメージがあるのだが、既存のノアヴォクとはひと味違う「車型」であるのは理解したことのひとつだった。

 ノアヴォクがすでにあったカテゴリーに登場したエスクァイアは、もちろん当時はトヨペット店に投入する販売店対策のための車種だった。そのために先行2車とはまた違ったキャラクターが与えられたのはご存知のとおりで、このエスクァイアは3車のなかではもっとも「華麗」だったというべきか。最初のカタログの最初の見開きページにコンセプトの表明がある。赤い地色に黒の文字は長時間眺めていると目がチカチカしてくるが、この文面からは「男たち」、「ひとつ上」、そんなワードを拾うことができる。「高級車に新たな選択肢。」ともあり、要するに上級ミニバンの「アルファード」のお手ごろ版といった位置づけでもあった。

超大型フロントグリルは華麗にして威風堂々

 アピアランス上の最大の特徴は、いうまでもなくひとしおの存在感を放ったフロントマスク。フロントグリルでいえばノアヴォクも広大な開口面積だったが、その面積の全面を使ってメッキのパターンを施したエスクァイアのグリルは、とにかく兄貴分たるアルファードに勝るとも劣らない存在感だった。後にタクシーや、アルファード同様に公共施設の送迎車として使われているのを見かけた覚えがあるが、そういう用途にも何となくハマって見えたのは、こうした華麗なフロントグリルに一種のエンターテイメント性がポテンシャルとして潜んでいたからなのかもしれない。

 ちなみにヘッドライトも専用デザインだったが、グリルと一体化し、きわめて自然にエスクァイアのフロントデザインの一要素になっていた。後年、LEDやシグネチャーランプなる好き勝手な(?)デザインが横行することになる前の、今から見れば十分にまっとうでオーソドックスなデザインだった。

 ボディカラーにはシルバーメタリック、ホワイトパールクリスタルシャイン(これ以上ないといった、これぞキラキラネーム?)、オーシャンミントメタリックといった無難なボディ色も用意された。が、やはりイメージなのはボルドーマイカメタリック、スパークリングブラックパールクリスタルシャインなど、ダークで凄みを効かせたボディ色か。ボディ色とのコントラストで超大型フロントグリルのメッキのパターンがひときわ映えるのも印象的だった。

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