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クラシックカーでラリーに参戦する醍醐味とは?「カルマンギア」や「ビッグヒーレー」を経て「MG TD」を選んだ訳とは

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 山本正文/高桑秀典/村田尚弥

PC競技に特化したスペシャル仕様にモディファイされている

クラシックカーラリーは、決められた区間を主催者が設定した時間でいかに正確に走行することができるか? を競う「PC(Prove Cronometrate:イタリア語でタイムトライアルの意)競技」で順位をつけているが、山本さん曰く、MG TDはPC競技に向いていないクルマなのだという。そうは言うもののAクラスの2位だったので、いろいろ伺ってみたら、愛機のMG TDをPC競技に特化したスペシャル仕様にモディファイしていた。

「最初、1968年式のフォルクスワーゲン カルマンギア カブリオレでクラシックカーラリーに出ていました。横浜開港Y153のときだったので、2012年の話です。1年ぐらい経ってビッグヒーレー(オースチン ヒーレー 3000)のMk-1、1960年式が見つかったので、それに乗り換えたのです。このクルマでは2年間ぐらいPC競技をやりました。ビッグヒーレーはパワーがあるのでPC競技に向いていましたが、ボディが大きいので取り回しが大変。その後、よ~し、PC競技に向いていないMG TDでやってやろう! と思い、1952年式を手に入れました」

PC競技に向いていないとわかっていたのに、なぜ購入したのか尋ねると山本さんは次のようにコメントした。

「MG TDは、足まわりがイイ意味でやわらかく、少し出っ張っているマンホールなどの段差を通過しても、それをまったく乗員に感じさせません。それほど乗り心地がイイ足まわりになっています。ということは、急ハンドルなどを切るとかなり車体がロールしてしまいます。また、直線でのブレーキング/アクセルオンでクルマがピッチングによってシーソーのように上下するので、線踏み競技のときの見通しとして使っているマーカーのズレが激しくなります。

さらに、MG TDのノーマルハンドルはお腹に当たるぐらいの大きさなので、ここ最近の難しいPC競技には向いていません。全然無理だと思います。エンジンはパワー不足を感じますが、これは腕次第だと思うので、大丈夫でした」

そんなMG TDでPC競技に挑みながら、当初、レーシングスクリーンを装着したり、ハンドルを変更したりするぐらいのことしかしていなかったとのことだが、PC競技にどんどんのめり込んでいったときに足まわりを変更することにしたのだという。

「まず足を固める作業に入ったときに、ダンパーがフロントフェンダーに当たってしまうことが判明。そこでフロントフェンダーをクラムシェルからサイクルフェンダーにしました。足まわりのセッティングが決まってきた頃から、PC競技に向いているクルマになりましたね」

好成績を残している山本さん/布留さんペアのMG TDは、これからTシリーズでクラシックカーラリーに参戦しようと思っている自動車趣味人のよき指標となるだろう。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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