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車重440キロの驚異! 窓もヒーターもないケータハム史上最軽量「セブン170R」って乗ってツラいの? 楽しいの?【AMWリレーインプレ】

車重440キロの驚異! 窓もヒーターもないケータハム史上最軽量「セブン170R」って乗ってツラいの? 楽しいの?【AMWリレーインプレ】

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TEXT: AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)  PHOTO: AMW 竹内耕太

市街地でも楽しめる軽さと加速! 道ばたの小学生にも人気

セブン170Rのタイトなコクピットにいったん体を押しこんでしまえば、体幹はぎっちりホールドされるので運転操作に不安はない。キーをひねり、赤いスターターボタンを押してエンジン始動。いわゆる「色気」のある音ではないけれど、走ること以外の夾雑物が極限まで削られているだけに、エンジンの鼓動と自分がただちに一体化する感覚がある。

5速MTのボール型シフトノブはショートストロークで、タッチはかなり重い。シフトチェンジのたびに「えいや!」と心の声をあげる。街中の信号からのスタートでも、すさまじいまでの加速を味わうことになる。窓もないし路面も近いから体感速度はひとしおだ。サスペンションの動きもよく伝わってくるが乗り心地は硬くはなく、しなやかな部類だろう。

数年前に乗った「セブン160」よりもターボの低回転域からの立ち上がりが素早くなってさらにキビキビ走れる印象で、ブローオフバルブの「シュカッ」という音とともに、リズミカルに市街地を流すだけでも楽しい。最先端の直3ターボを存分に楽しむ点では、軽オープンスポーツという点でも同じカテゴリーのホンダ「S660」が近いだろうか。ただしセブンのほうが五感へのあらゆるインフォメーションが「生」だ。

高速道路では……飛び石リスクを避けるべく左側の車線で前車との車間距離を思いっきり開け、左右のクルマにも注意しながら、ひたすら安全運転。それに追い越し車線に行こうものなら、どんなウェアを身に付けていようが、顔面エアブレーキ状態となってしまうのだから。

ワインディングこそ快楽の極致! 走った後の缶コーヒーが美味いこと

高速移動は修行のようなものだったので、セブン170Rの楽しさを満喫すべく、近所のワインディングコースへ夜明け前から出かけてみた。標高が上がるにつれて顔に叩きつけられる風も冷たくなっていく。それでも、無人の山にセブンのエンジン音だけがこだまる状況になり、道も曲がりくねっていくと、寒さとバーターでドライブの楽しさが増すジレンマに悩んだ。が、どんどん頭のネジはゆるんでいった。

直3ターボエンジンは街中や渋滞では若干ムズつくところもある一方、3000rpmからの加速の気持ちよさは格別だし、先代にあたるセブン160よりフロアが25mmロワードされているだけあって、さらに低重心で地面を這うように曲がっていける。別に限界まで攻めようとか、今まで同じコースで試乗してきたクルマたちとコーナリング速度の絶対値を比べようとかも思わない。無念無想、がむしゃらにただ走る。

筆者のように特別なドラテクがなくても、FR車の操作の基本どおり、コーナー手前でしっかり減速してフロントに荷重をのせてロール姿勢をつくり、アクセルで微調整しながら曲がっていくだけで気持ちいい。クルマの基本中の基本しか存在しないセブンだから、しばらく乗っているうちに、乗り方をドライバーに教えてくれるのだ。徐々に明るくなって色づいてくるパノラマの広がりを、窓枠もなくダイレクトに眺めながら駆け抜けるのは至福の体験となった。

ひと通り走り終えて、休憩所にセブンを停めて自販機で缶コーヒーを買った。いつもは健康を気にしてブラックだけど、こんなときは甘くて熱いやつ。冷えてクタクタになった体にしみわたった。

ドライブすること自体が非日常で、実際に肉体も相応に疲れるあたりは、文字どおりピュア・スポーツカー。それでも走るときに得られるアドレナリンや幸福物質の総量は、他のどんなクルマでも得られないものだ。

とはいえ、もし自分でセブンを買うなら……長距離移動で体に優しい170Sだろうか。走って楽しいコースの近くに置き場があるラッキーな人なら、さらに濃度の高い170Rを選んでも後悔しないはずだ。

試乗車の諸元

●CATERHAM SEVEN 170R
ケータハム・セブン170R
・車両価格(消費税込):698万5000万円
・全長:3100mm
・全幅:1470mm
・全高:1090mm
・ホイールベース:2225mm
・車両重量:440kg
・エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
・排気量:658cc
・エンジン配置:フロントエンジン
・駆動方式:リア駆動
・変速機:5速MT
・最高出力:85ps/6500rpm
・最大トルク:116Nm/4000-4500rpm
・0-100km/h:6.9秒
・最高速度:168km/h
・燃料タンク容量:36L
・サスペンション:(前)ダブルウィッシュボーン式、(後)マルチリンクライブアクスル
・ブレーキ:(前)ソリッドディスク、(後)ドラム
・タイヤ:(前&後)155/65R14
・ホイール:(前&後)4.5J x 14

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  • AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)
  • AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)
  • 田舎の大学院で古代インドのサンスクリット語を研究していた元・学者の卵。クルマ遊びにハマって中古車販売店で1年働いた後に出版業界へ。クルマやカルチャー系の雑誌のほか、翻訳書、人文書、地図帳、写真集など手がける。クラシック・フォルクスワーゲンが趣味の中核で、愛車は1963年式カルマンギア。数年前に都内から小田原へ移住し、賃貸ガレージハウスでリモートワークしつつ、箱根や伊豆のワインディングをのんびりドライブする日々。
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