ミツワ自動車が日本に入れたミウラだった
ここで紹介するモデルは、4280のシャシーナンバーを持つ、ミウラSをベースとしたイオタ・レプリカだ。実際にランボルギーニのアッセンブリーラインから出荷されたのは1969年の10月23日。ボディカラーは赤、インテリアは黒というエアコン装備の仕様で、イタリアのディーラー、イタルカーを通じてファーストオーナーに納車された後、ミツワ自動車によって日本に輸入されている。
それから神戸、千葉、福岡のオーナーを経て、その間によりパフォーマンスの高いSV用エンジン(エンジンナンバー30663)に換装。さらに2006年から2013年にかけてイオタ仕様に改造するために大規模なボディワークの改造やレストア作業が行われ、この時の請求額は6100万円以上に及んだとRMサザビーズは報告している。
1億4400万円で落札される
4280のミウラ・イオタが日本を離れたのは2014年のこと。オークションで売却されたこのモデルはスウェーデンに新たなオーナーを得た後にイギリスへと渡り、2019年にはランボルギーニ・バーミンガムでフルードサービスを、また2022年には同センターでインターバルサービスを受け、トータルで約125万円の費用を支払っている。
ランボルギーニが歩んだ60年間で最も印象に残る、そして今は存在しないJ。このモデルはオリジナルJの魅力を余すところなく表現しており、ツアーやラリー・イベントでもオーナーの理想的なパートナーとなることは間違いないだろう。
参考までに今回のRMサザビーズ社によるパリ・オークションでの落札価格は101万7500ユーロ(邦貨換算約1億4400万円)。Jの残像、そしてそのフィニッシュの素晴らしさは確かに高く評価されているようだ。