超有名人がオーナーだったりすると価値も上がる!?
出品車の5000Sにはさらなるストーリーがある。そもそも321台の5000Sの中で、アメリカに輸出されたモデルはRMサザビーズの調べによればわずか38台。中でもこのモデルが特に注目を集めているのはそのファースト・オーナーが、アメリカン・フットボールの世界では殿堂入りを果たしている、シカゴ・ベアーズにおいて13シーズンをプレーした名選手、ウォルター・ペイトン氏だったところに直接の理由がある。
史上最高のフットボール選手とも讃えられる氏が、1984年にキャリア通算のラッシングヤード記録を更新した時、彼のスポンサーのひとつだったKangaROOS社が新車で贈った5000S。それが今回の出品車にほかならないのだ。
当時のKangaROOS社の広告には、ペイトン氏とこの5000Sがともに映った写真も採用されたことがあるという。

ペイトン氏は1987年までこの5000Sを所有。その後テキサス州などのオーナーの手をわたり、今から約10年前にはドイツの新たなオーナーによってフルレストアが行われた記録が残っている。
エンジンの完全なオーバーホールとリビルト、ボディカラーはブルーからブラックに、インテリアもブラックにブルーのパイピングが施されたものにこの時改められているが、ペイトン氏が所有していた頃の、ブルー・アカプルコのボディカラーとシャンパン・ゴールドのインテリアカラーは、ランボルギーニではわずか2台しか製作履歴のない貴重な仕様だったという。
2022年、さらにランボルギーニ・コペンハーゲンでエンジンとギアボックスの整備を受けた後、このモデルは再びアメリカへと逆輸入。出品者である最新のオーナーによって、さらにバッテリーや塗装の修正などのメンテナンスが施された。これらのヒストリーやコンディションの良さは評価され、アメリア・アイランド・オークションでは入札が繰り返されたものの希望落札価格には届かず、流札という結果になってしまった。
ちなみに現在でもこのモデルは、RMサザビーズのプライベートセールで、65万ドル(邦貨換算約8560万円)のプライスにて販売中となっている。




































































