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3700万円に高騰! 日本から流出したアルファ ロメオ「8C」はカロッツェリア・トゥーリングでモディファイされていた!

3700万円に高騰! 日本から流出したアルファ ロメオ「8C」はカロッツェリア・トゥーリングでモディファイされていた!

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2022 Courtesy of RM Sotheby's

名門カロッツェリアが模様替えした8Cは、3700万円で落札!

2023年2月のRMサザビーズ“PARIS”オークションに出品されたアルファ ロメオ8Cコンペティツィオーネは、500台が世界限定生産されたうちの一台にして、アルファロメオの歴史には欠かせない名門カロッツェリアの手による唯一無二の魅力的なドレスアップが施された一台でもある。

新車として製作された際のカラーはグレー・メタリックで、まずは日本にデリバリーされたという。その後ヨーロッパの愛好家に譲渡され、2016年にエクステリアとインテリアのコスメティックを模様替えするため、ミラノ近郊ローの街にある“カロッツェリア・トゥーリング・スーペルレッジェーラ”に移送されることになる。

名門カロッツェリアによる大規模なモディファイによって、エクステリアは特別注文の“ロッソ・ストラトスフェロ(Rosso Stratosfero)”に塗り替えられた。そのカラーリングで仕上げられた8Cは、世界中でもこの個体だけと言われている。

新車以来の走行距離がわずか9907km

いっぽうインテリアでは、アルファ ロメオとツーリングとの関係を模索したディスコ・ヴォランテをモチーフに、ボディ同色のバケットシートシェル、エアベント、ドアカード、ハンドメイドによるアルミニウム製ドアハンドル、ブラックアルマイト仕上げのアッパーダッシュボードなどが追加された。このモディファイには8週間の期間と、3万4720ユーロの費用を要したとのことである。

またこの8Cコンペティツィオーネは、アルファ ロメオのスペシャリストたちによってメンテナンスされてきたことが記録に残っており、最後の大規模サービスは2022年2月にルクセンブルクの“ガレージ・インティニ”によって施行。その費用は6248ユーロに上ったという。

オークションカタログ作成時のオドメーターは、新車以来の走行距離がわずか9907km。オークション出品にあたっては、純正のラゲッジセットと10スポークアロイホイールのスペアセットが付属していた。アルファ ロメオ8Cコンペテティオーネのスペアホイール

* * *

2010年代中盤以降のクラシックカーマーケットにおける爆発的な高騰により、それまでは低評価に甘んじていたクルマたちが、続々と高値で取引される事例が頻発していることは、これまでにもお伝えしてきたとおりだが、アルファ ロメオ8Cコンペティツィオーネもそんなモデルの一つ。新車デリバリーが開始したころは、世界中で500台の限定枠を争う状況となっていたものの、2010年代初頭にはマーケットで持て余されたこともあり、日本円にして1000万円台半ばくらいで流通していた事例も散見された。

ところが、近年になってその魅力と希少性が再認識されたのか、今回のオークション出品に際しても25万~33万ユーロという、新車時に設定されたプライスを大きく上まわるエスティメート(推定落札価格)を設定。そして2月1日に開催された競売では、エスティメートに届く25万ユーロ、日本円換算では約3700万円で落札されるに至った。

しかも、アルファ ロメオにとって8Cコンペティツィオーネ/スパイダーこそが最後の純ICEスーパーカーになることは間違いないことから、今後もマーケット価格は堅調に推移すると予測されているようだ。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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