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「ロータス・コーティナ」を30年で3台乗り継いだ理由とは? 国際ラリーで優勝したフォード・ワークスカーを紹介します!

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一

30回目を迎えた「ブリティッシュ・クラシック・マラソン」に初回から「コーティナ」で参加し続ける

2023年4月15日(土)~16日(日)に開催された英国車だけのヒストリックカー・ラリー「ブリティッシュ・クラシック・マラソン」は今年で30回目。約70台の参加車の中でも、「KPU 383C」の本国ナンバーを掲げた1965年式フォード「ロータス・コーティナ」は本格的なラリーカーの雰囲気を放っていました。それもそのはず、かつてフォードのワークスチームで、ラリー・レジェンドのロジャー・クラークが乗って優勝したことのある個体だったのです。

かつて英国フォードのワークス・ラリーカーだったコーティナ

1930年代の「オースティン・セブン」を筆頭に個性的な英国車およそ70台が年式順に並ぶなか、まるで野武士のような佇まいの1台の赤いエントリー車が目を引いた。愛知県の鎌田秀夫さんが乗ってきた1965年式フォード「ロータス・コーティナ Mk.1 Sr.2」だ。

増設された補助灯や、燃料タンクの給油口も2つ備え、数カ所にクラックが見られる昔のラッカー塗装もなんだか凄みを感じさせる。室内を覗いてみれば、現代のデジタル機器ではなく、アナログのハルダ製トリップメーターやホイヤー製2連ウオッチ、地図を見るためのマップランプは蛇腹のフレキシブルなもので、いかにも実戦的な往年のラリー装備を備えている。

それもそのはずである。この「KPU 383C」のナンバープレートを掲げた1965年式フォード「ロータス・コーティナ Mk.1 Sr.2」は、かつて本物のフォードのワークス・ラリーカーだったのだ。

ロジャー・クラークのドライブで1965年ウェルシュ・ラリー勝利

英国フォードは1950年代、競技車両をロンドン西部にあるフォード・ディーラー、リンカーンカーズの工場で作っていたが、1963年にエセックス州の飛行場跡に専用のモータースポーツの新拠点「ボアム(Boreham)」を建設する。

1962年に英国フォードが発売した小型車のコーティナは当初の1198ccモデルに加えて、翌年には1498ccを搭載するアッパーグレード「スーパー」を追加。そしてモータースポーツ部門の「ボアム」では同年、1498ccエンジンを79psまでチューンした「コーティナGT」と、続いて106psを発揮するロータス製1558cc DOHCユニットを搭載する「ロータス・コーティナ」を開発した。

この赤い「KPU 383C」はそんなロータス・コーティナの中でも特別な1台。ラリー・レジェンドであるロジャー・クラークが、1965年のウェルシュ・ラリーで優勝し、フォードに初めての国際ラリーでの勝利をもたらしたクルマ、そのものなのである。ロジャー・クラークは1966年も英国内のラリーにはこのコーティナを使用し、さらには自身のウェディングカーとしても使ったことから、彼にとっても思い入れのあるクルマだったことが窺えるのだ。

1993年からコーティナを30年で3台乗り継ぐ

現在「KPU 383C」ワークスカーのオーナーである鎌田さんは、かつてはBMWのアルピナなど箱のハイパフォーマンスカーを楽しんでいたが、周囲に「エラン」や「セブン」に乗る友人たちが多かった影響もあり、40歳のとき、英国車スペシャリストであるフライングスコットが輸入したロータス・コーティナを選んだ。

そして1993年に初開催された「ブリティッシュ・クラシック・マラソン(以下BCM)」に参加するも、デフのトラブルでリタイヤしてしまい、楽しみにしていたパーティーに間に合わなかったことを今でも覚えていると笑う。その最初のコーティナは完全にノーマル車両だったが、その後チューニングされたコーティナに乗り換えてからも、BCMに毎年のように参加。何度か欠席した年もあったが、25回くらいは参加しているそうだ。

コーティナとともにヒストリックカー・ラリーBCMを楽しんできた鎌田さんであるが、5年前に迎えいれた3台目となるコーティナが、「究極の上がりの1台」と言うべき、この元ワークスカーのロータス・コーティナだったのだ。

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