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思わずニヤニヤ!フィアットのカラーチョイスはこだわりに満ちていました【週刊チンクエチェントVo.10】

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TEXT: 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)  PHOTO: Stellantis N.V/チンクエチェント博物館

これからのフィアットのラインナップカラーはカラフルになる!

ところが近年では、その真逆のような現象が起きている。絶妙な色の現行チンクエチェントをイタリアで見かけることは稀だ。日本ではインポーターの努力で彩りの美しいカラーがつねに1色はラインナップされてたり、あるいはスペシャルカラーの限定車がわりとひんぱんに用意されたりしているけど、現地でそういう個体を見かけることは極端に少ないのだ。

とあるイタリア出張のときに現地の人に「どうして?」と訊ねたら、「フィアットに限ったことじゃないけど、洗車がめんどくさいから汚れが目立たない色を選ぶヤツが多いし、何より高い。標準色以外の色もあるけど、それを選ぶとかなり高価なんだよ」なんて答えが返ってきた。どのくらい高価になるのか金額は忘れちゃったけど、日本のオプション価格の比じゃなくて驚いた記憶だけは鮮明に残ってる。これも時代なのかな……?

FIAT500

なんて思ってたら、タイムリーなことに本国のフィアットから驚愕のニュースが飛び込んできた。6月26日のプレスリリースのタイトルは、こうだった。

『Goodbye gray, welcome colors』

なんと、その日をもってグレイのクルマの生産を中止した、というのだ。いわく「今日からフィアットのラインナップのカラーは、イタリアの海、太陽、大地、空からインスピレーションを得たものになる。モビリティは、これまで以上にカラフルで陽気なものになるだろう」と。

日々の暮らしの中における色彩の重要性を高めることでイタリアの生活様式を体現し、フィアット・ブランドが提唱している現代の「ドルチェ・ヴィータ(=甘い生活)」をこれまで以上にはっきり伝えていくための決断らしい。たしかにイタリアっていう国には、鮮やかな色彩がたくさんあるものね。どんな街をほっつき歩いてても、ちょっとばかり嬉しくなってくるくらいに。

リリースの中で、フィアット・ブランドのCEOであるオリヴィエ・フランソワはこう言っている。

「私たちはこれまでの常識を覆します。これは挑戦的で破壊的なことであり、喜び、彩り、明るい考え方のブランドとしてのフィアットの統率力をさらに強化することを目的としています。イタリアは色彩の国であり、今日からフィアットのクルマたちもまた同じなのです。フィアットは皆さんに明るく前向きな生き方を促したいと考えています。これは7月4日に発表される新型フィアット600eの使命のひとつでもあるのです」

なるほど。いや、それは素晴らしいことだと思う。無彩色の中で生きるのと美しい彩りの中で生きるのとでは、間違いなく気持ちの持ちようが変わってくるもんね。マジメに大英断だと思うな、僕は。ついでにさりげなく前々回に紹介したフィアット600eの発表日まで教えてくれて、ありがとう。

そのオリヴィエ・フランソワが「さよなら、グレイ」を宣言する公式動画が「トップがここまでやるかー?」な感じでおもしろかったので、貼り付けておくことにしよう。

■協力:チンクエチェント博物館

■「週刊チンクエチェント」連載記事一覧はこちら

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  • 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)
  • 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)
  • 『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー雑誌の『ROSSO』やフェラーリ専門誌『Scuderia』の総編集長を歴任した後に独立。クルマとヒトを柱に据え、2011年からフリーランスのライター、エディターとして活動を開始。自動車専門誌、一般誌、Webなどに寄稿するとともに、イベントやラジオ番組などではトークのゲストとして、クルマの楽しさを、ときにマニアックに、ときに解りやすく語る。走らせたことのある車種の多さでは自動車メディア業界でも屈指の存在であり、また欧州を中心とした海外取材の経験も豊富。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
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