クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • 1万回転OKなエンジンも積んでいた2代目「サニー」! レースシーンで大活躍したファミリーカーでした【国産名車グラフィティ】
CLASSIC
share:
1万回転OKなエンジンも積んでいた2代目「サニー」! レースシーンで大活躍したファミリーカーでした【国産名車グラフィティ】

1万回転OKなエンジンも積んでいた2代目「サニー」! レースシーンで大活躍したファミリーカーでした【国産名車グラフィティ】

投稿日:

TEXT: 片岡英明  PHOTO: 小林 健

レース仕様なら1万回転も許容した直4 OHV

1200シリーズの心臓は、サニー1000のA10型直列4気筒エンジンのストロークを延ばし、ボア73.0mm、ストローク70.0mmとしたA12型直列4気筒OHVだ。総排気量は1171cc。カムシャフトを使ってプッシュロッドを押し上げ、ロッカーアームを介して燃焼室頭部のバルブを動作させるが、そのカムシャフトの位置を高くし、高回転まで気持ちよく回るようにした。吸・排気系の配置はカウンターフローだ。

耐久性に優れた鋳鉄のシリンダーブロックを採用し、クランクシャフトは3ベアリング支持から5ベアリング支持へと変更している。最初はシングルキャブ仕様のみの設定で、68ps/9.7kgmを発生。トランスミッションは3速コラムシフトと4速フロアシフトのMTで、最高速度は150km/hだ。

誕生から3カ月後の4月、ホットバージョンの1200GXを投入した。圧縮比を10.0まで高め、SUタイプのキャブレターを2基装着している。プレミアムガソリンを使用したこともあり、最高出力は83ps/6400rpm、最大トルクも10.0kgm/4400rpmへと向上した。ボディは軽量だから、4速MTを駆使すれば0-400mを17.4秒で走りきり、最高速度は160km/hとなった。

1972年8月、1200GXは、さらに豪快な走りを実現するために1200GX‒5を投入した。ツインキャブ仕様のA12型エンジンに組み合わされたのは、5速のギアレシオが1.000の直結5速MTである。しかもヒューランドパターンと呼ばれる、マニアックなローバックの5速MTだった。

1速ギアが左下に位置し、2速と3速ギア、4速と5速ギアは直線配置となっている。5速がオーバードライブではなく、エンジンのおいしいところを使える直結タイプのためピックアップも鋭い。レース仕様のチューニングエンジンなら1万回転まで回し切ることができた。

レースではデビューウィンを達成!

鉄板剥き出しでシンプルだった初代サニーと比べると、2代目のインテリアはグッと華やかだ。ソフトパッドをふんだんに使い、水平基調のダッシュボードをドライバーの前に組み込んでいる。メーターパネル以外はブラック基調だった。前期モデルのパネル部分には張り出しがほとんどないフラットな形状で、丸形メーターの縁を少し盛り上げている。

ステアリングはグレードによってウッドと本革巻きタイプ、樹脂素材が用意され、GXは中央のホーンボタンにGXの文字を埋め込んだ。フロントシートはヘッドレスト付きで、最適なドライビングポジションを取りやすい。

サニーは1972年1月にマイナーチェンジを行い、エクステリアとインテリアを手直ししている。外観は、フロントマスクとリアコンビネーションランプ周辺のデザインを変え、セダンはゴージャスに、クーペはキリリと引き締まった。インテリアでは3眼メーターの縁取りが丸形から角形になり、立体感を増したから車格が高まったように感じられる。

後にSUツインキャブ仕様のGX系は公害対策に取り組み、最終モデルでは圧縮比を下げ、キャブレターも換えたレギュラーガソリン仕様も登場。だが最高出力は80ps/6400rpm、最大トルクが9.8kgm/4400rpmへとダウンしている。

B110型サニー1200クーペは、カローラと熾烈な販売合戦を繰り広げたが、サーキットでも名勝負を演じた。デビュー戦は1970年11月に富士スピードウェイで開催されたレース「トランスニック」で、鈴木誠一がデビューウィンを挙げている。熟成が進むまではカローラクーペに苦戦したが、きめ細かい改良によってTSレース界の常勝マシンへと成長。マイナーツーリングレースでも大暴れし、公認が切れる1982年まで王座を守り続けている。

2代目サニーは、全盛を誇った1972年には24万台を超える販売を記録するほど多くの人に愛された。今でもサニーの代名詞的な存在で、海外にも熱狂的なファンは多い。

サニークーペ1200GX-5(B110)
・年式:1972年
・全長×全幅×全高:3825mm×1515mm×1350mm
・ホイールベース:2300mm
・車両重量:705kg
・エンジン:A12型直列4気筒OHV
・総排気量:1171cc
・最高出力:83ps/6400rpm
・最大トルク:10.0kgm/4400rpm
・変速機:5速MT
・サスペンション(F/R)ストラット・コイル/リジッド・リーフスプリング
・ブレーキ(F/R)ディスク/リーディングトレーリング
・タイヤ:6.00-12-4P

■「国産名車グラフィティ」記事一覧はこちら

12
すべて表示

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS