走行距離はわずか300km
フォードが新たに生み出した、セカンド・ジェネレーションのGTに対する反響は、予想どおり非常に大きなものだった。生産はフォードとともにその開発にも関係したカナダのオンタリオ州にあるマルチマティック社が担当し、2022年のモデルイヤーまで1350台を生産するという計画が発表された。ちなみにこの数字は、初代GTが2004年からの約2年間で4038台が生産されたことを考えれば、はるかに少ないものであることは言うまでもない。
今回ニューヨーク・オークションに出品されたセカンド・ジェネレーションのGTは、アップグレードされたダーク・エナジーのインエリアに、インゴット・シルバーのエクステリアという仕様で仕上げられたもの。オプションでは前に触れたカーボンファイバー製ホイールのほか、やはり同素材によるエクステリアパッケージ、レッドブレーキキャリパーなどが選択されている。新車時にモンタナ州のオーナーにわたった後、2021年には現在のオーナーに売却された履歴を持つが、現在までの走行距離は約300km。ほとんど新車に近いコンディションを保っている。
その驚異的なパフォーマンスに壮大なエアロダイナミクス・デザイン、そして最先端のテクノロジー。フォードGTはまさにアメリカを象徴する究極のハイパーカーと評してもよいのだろう。ちなみに今回のオークションでの落札価格は86万3000ドル(邦貨換算約1億2430万円)。それだけの価値は十分に認められる1台である。