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デイトナ仕様のマツダ「サバンナRX-7」がFSWを快走! GTUクラス2位のボーレン組を後期型で再現した1台でした

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/宮越孝政/佐藤正勝/佐藤亮太

IMSAデビューのデイトナ24時間では見事な1-2フィニッシュ

残念ながら2台のうち1台が完走したものの着外に終わり、もう1台はリタイアと残念な結果に終わりましたが、RX-3でデイトナ24時間を戦ったことで多くのデータを蓄積できていたのでしょうか。サバンナRX-7がデビューした1979年のデイトナ24時間では甲高いロータリーサウンドが、24時間レースの最初から最後まで、快調に響き渡ることになりました。

マツダオート東京はIMSA-GTU仕様のRX-7を3台持ち込み、ゼッケン7号車を片山義美/寺田陽次郎/従野孝司選手の日本人トリオに、ゼッケン77号車をウォルト・ボーレン/エイモス・ジョンソン/ロジャー・マンデビルの米国人トリオに託す体制とし、残る1台をスペアカーに充てる慎重策をとっていました。

なおエントリーはマツダの現地サービスの総本山たるマツダ・テクニカル・センターでした。GTU仕様へのチューニングは、エンジンを12A型ながらペリフェラルポートで255psを絞り出す仕様に変更。さらに前年のRX-3での経験から、エントラントを苦しめる砂の対策としてエアクリーナーを装備するなどデイトナ24時間ならではの対策にも抜かりはありませんでした。

予選ではゼッケン7号車の片山選手が、コースレコードにわずか0.001秒差の2分05秒955をマークして総合32番手でGTUクラストップ。GTOクラスのポルシェを挟んでゼッケン77号車のボーレン組が総合34番手でクラス2番手につけていました。決勝でも2台のRX-7は快調に周回を重ねていったのです。途中ゼッケン7号車が従野選手のドライブ中に、クラッシュしたマシンの破片を拾ったか左後輪をバーストさせ、また幾つかのマイナートラブルもありましたが大きく順位を下げることなく周回を続けていきます。

これに反してGTXクラスやGTOクラスのポルシェがターボチャージャーのトラブルなどで次々と後退し、結果的に2台のRX-7は総合でも順位を上げて上位に進出していきました。そして24時間を走り切った2台のRX-7はゼッケン7号車、ゼッケン77号車の順に総合5、6位でチェッカーを受け、デビューレースにして見事なクラス1-2フィニッシュを飾ることになりました。

RX-7は引き続いてIMSAシリーズを戦うことになり、翌1980年にはウォルト・ボーレン選手が、見事チャンピオンに輝いています。そしてデイトナ24時間では1979年から1986年まで8年連続でGTUクラスを制し、1980年から5年連続してIMSA-GTUチャンピオンに輝いています。

一方デビュー戦のデイトナ24時間で見事1-2フィニッシュを飾ったことでRX-7のパフォーマンスを確認したマツダオート東京は、同年のル・マン24時間へのチャレンジに、自信を深めていきました。そしてサバンナRX-3で始まった25xシリーズ、グループ5のシルエットフォーミュラのプロジェクトを発展させ1982年のル・マンではRX-7 254で国産車として初めて14位完走を果たすことになりますが、これについてはまた別の機会に紹介します。

今回「箱車の祭典2023」に登場したゼッケン77号車は、1979年のデイトナ24時間で快走し、ゼッケン7号車の片山組に続いて総合6位/GTUクラス2位に輝いたボーレン組のゼッケン77号車を再現したレプリカモデル。後期型がベースのためにテールライトが一体型となっているのは致し方ないのですが、フロントビューはノーズを初期型のものに変更するなど、手作りながら忠実に再現した1台です。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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