現オーナーに渡ったあとは徹底的にオーバーホール
LM002は、1986年から1993年にかけて合計328台が生産されているが、「12198」のシャシーナンバーを持つこのモデルは、1990年に製作された後、ファースト・オーナーの手にわたったのは1994年1月14日のことだった。
それから現在までの走行距離は、わずかに1万600km。2015年に現在のオーナーに譲渡され、安心してドライブするには大規模なオーバーホールが必要と考えた彼は、2016年6月にランボルギーニ・フランクフルトにオーバーホールを依頼。V12エンジンは、コントロールユニットも含め徹底的にチェック、もしくは必要なパーツは交換されている。2013年のランボルギーニ創立50周年時に一度だけ復刻された、ピレリ製のスコーピオン・タイヤも、5本すべてが新品に生まれ変わった。
そして2019年にランボルギーニ・フランクフルトから戻った「12198」は、さらにその外観やメカニカルなパートを完成させるために、フランスのコルマールにあるスペシャル・ショップに委ねられ、エクステリアやインテリアのフルレストアが行われた。2023年にはクラッチ交換や、ヘッドガスケットを含むすべてのエンジン・シールを新品とする作業も行われたという。
この歴史上最も貴重なSUVともいえるランボルギーニLM002。今回の落札価格は34万5000ユーロ(邦貨換算約5520万円)。わずかに2オーナーのフルレストア車となれば、そしてランボルギーニの歴史において非常に貴重なSUVの始祖であることを考えれば、それをコレクションの1台に加えたいと考えた入札者は、きっと多かったに違いない。
ちなみにこのオークションは最低落札価格なし、ボナムスの提示したエスティメートは35万~50万ユーロ(同5600万~8000万円)というものだった。