憧れのロータリーエンジン車に初めて乗ってみた
旧車好きな19歳の女性レーシングドライバー佐々木藍咲(ささき らみ)選手に、さまざまな旧車に試乗してもらって若者目線の素直なインプレをお届けするこの企画。今回は長野県佐久穂町の「エンドレス130コレクション」のご協力のもと、マツダ「ルーチェロータリークーペ」に乗ってみました。
エンドレスがレストアした1971年式ルーチェロータリークーペ
富士スピードウェイで開催されている女性だけのモータースポーツカテゴリー「KYOJO CUP」にて、2023年シーズンに4輪レースデビューした佐々木さんは、旧車イベントに参加したことをSNSに投稿するほど、根っからの旧車好き。近年のレーシングドライバーは「レースという競走が好きで、クルマそのものはそこまで……」という選手も多いが、佐々木さんはプライベートでもマイカーのトヨタ「86」でサーキット走行を楽しむほどだ。
レーシングドライバーをする傍ら、普段はフォーミュラドリフトジャパンを運営する会社である「MSC株式会社」に勤めるという、公私ともにクルマ漬けの生活を送っている。
そんな旧車好きの佐々木さんに今回は、「エンドレス130コレクション」の展示車両である1971年式のマツダ ルーチェロータリークーペを試乗してもらった。
エンドレス130コレクションは、ブレーキやサスペンションで有名なパーツメーカー「エンドレス(ENDLESS)」が2021年3月にオープンした施設。カフェと展示車両が集められたミュージアム、そしてレース車両のメンテナンスなどを行っているレーシングガレージが併設されている。この施設の開設は創業者であり会長であった故・花里 功氏の長年の夢であった。
豪華装備の数々と振動の少なさにビックリ
じつはロータリーエンジンに憧れがあったという佐々木さん、ロータリー=スポーツカーという先入観があったのか、パワステやパワーウインドウといった豪華装備の数々を知って驚いていた。
「当時のクルマとしては豪華な装備があるあたり、スペシャリティカーな雰囲気が見た目からも感じられます。この130コレクションにも展示されていますが、旧車のスペシャリティカーという意味では、初代シルビアに近いものがありますね。なんだかちょっとアメ車っぽい感じです。内装もレッドで華やかな印象ですね」
なお、このクルマはレストアと同時にエンドレスのサスペンションやブレーキなどで走行性能のアップデートも施されている。この辺りを佐々木さんは試乗でどう感じるのか? 早速試乗してもらった。
佐々木さんが実際にロータリー車を運転するのはこのルーチェが初めて。初ロータリーがルーチェという人は珍しいかもしれない。実際に運転し始めるとスペシャリティカーな部分を感じ取った様子であった。
「ロータリー車は初めてなんですが、旧車とは思えないほど振動が少なくて驚きました。ピストンが上下していないからだと思いますが、振動が少なくて快適で、この時代のクルマとは思えないほど、なんというか普通のクルマって感じです。ただ、クラッチのミートポイントが分かりにくくて、アクセルの遊びが大きい、旧車らしい乗りづらさもありますね」