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無数の十字架が「ルート66」唯一のワインディングに…険しくも不思議と落ち着くオススメの場所です【ルート66旅_48】

無数の十字架が「ルート66」唯一のワインディングに…険しくも不思議と落ち着くオススメの場所です【ルート66旅_48】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • さすがに大型トラックは通らないものの、キャンピングカーなどと擦れ違うときは気を遣う。車線も現代のクルマで走るにはかなり狭い
  • 無数の墓標に最初こそドキッとするが、死亡事故の現場というわけじゃない。もっとも安全にはいつも以上に配慮すべき道ではある
  • 登山道で見かけるケルンも。なおクールスプリングス・キャビンの近くには短いトレイルがあるので次に行くときこそ歩いてみたい
  • オートマン付近にある石積みの遺構。現在は柵で規制され立ち入りできないが、ゴールドラッシュに沸いていた時代の名残だろうか?
  • 東から見たシットグリーブパスの標識。ここを過ぎたすぐ先にビューポイントがある。標高は3550フィート、すなわち約1082mだ
  • 初めてここを走ったときから放置されたままの事故車。大型のクレーンが入れそうもない道だけに手の付けようがないのかもしれない
  • この場所かどうかは不明だが53エーカーの土地を売りたいらしい。東京ドーム5個に相当する大きさ、はたして価格はいくらだろう。
  • ハーレーのオーナーズクラブに帯同して撮影したときのひとコマ。3755kmに及ぶルート66で唯一のワインディングを満喫してもらえた
  • ルート66の大先輩である竹内章夫さんの写真集が店内に。オーナーに聞いたところ日本からのお客さんも結構な頻度で訪れるらしい
  • 峠の入口に当たるギフトショップ「クールスプリングス・キャビン」から、ゴール地点と目するオートマンまでの距離は15km弱
  • ルート66グッズなどを取り扱うクールスプリングス・キャビン。映画『ユニバーサル・ソルジャー』の撮影で爆破してから再建された
  • シットグリーブパス・ビューポイントからの眺め。個人的にはルート66に限らずアメリカで最も好きな風景のひとつといっていい
  • 延々と続くワインディング。舗装されているだけ、前に紹介した「ミューリー・ポイント」へと続く道よりマシといったところだろうか
  • カリフォルニア在住のライダーがソロツーリング中。アリゾナ州はヘルメットの着用が義務化されていない。くれぐれも安全運転で!

険しいブラック・マウンテンを越えゴールドラッシュに沸いた街を目指す

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。イリノイ州シカゴから西に向かい、アリゾナとカリフォルニアの州境へ近づいてきました。ここでルート66唯一の険しいワインディングが立ちはだかります。

かつてカリフォルニアの楽園を目指した人々には最後の障壁だった

アリゾナ州キングマンからルート66を西に走って約30分、カリフォルニア州との境界線はもう目前だ。コロラド川を越えて最後の州に突入したいところだが、ルート66で唯一の険しいワインディングが立ちはだかる。

インターステートが開通しクルマの性能が上がった現代では、美しい景色が楽しめる観光道路としてあえてここを通る人も多い。しかしルート66が貧困やダスト・ボウル(1930年代に頻発した砂嵐)から逃亡する道であった時代、楽園と信じていたカリフォルニアを目指す人々にとってこの峠道は、まさしく旅の終盤に立ちはだかる大きな障壁であったといえるだろう。彼らの苦難に思いを馳せつつ、オートマン・ハイウェイとも呼ばれる、細く曲がったルート66を走りブラック・マウンテンを越えてみたい。

そもそもなぜこんな山奥に道を作る必要があったのか。きっかけは次回で詳しく紹介する予定だが、1863年に山で金脈が発見されたことだ。一攫千金を狙う人々がアメリカ全土から押し寄せ、道を切り開きオートマンという街まで建設された。しかし金脈が底をつくと潮が引くように労働者たちは他の土地へ移り、インターステートの完成もありオートマン・ハイウェイの交通量は激減。今となっては私たちのようなルート66を走ること自体を目的としたファンや、残り少ない近隣の住民やオートマンへ物資を運搬するトラックが走る程度だ。

峠の入口に当たるギフトショップ「クールスプリングス・キャビン」から、ゴール地点と目するオートマンまでの距離は15km弱とそれほど長くないものの、大型のキャンピングカーとすれ違うようなときは思わず身構えてしまう道の細さ、おまけにガードレールなんて一切なく路肩がわずかに盛り上がっているだけ。ところどころに滑り落ちたような痕跡が残っているし、崖下には引き上げることもできないであろうクルマもある。風景を楽しむのが目的なのであり得ないことだが、夜間に走るのは私でもさすがに躊躇してしまう。

余談だが家財道具をすべて積み込んで一家で西を目指す、映画『怒りの葡萄』で描かれているような時代のクルマは、パワーが足りずこの道を登れないこともあったとのこと。そこでローギヤードなバックだけで峠を越える、特殊なビジネスがあったなんて話も残っている。

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