やはり高価な456GTは、マニュアルに限る?
このほどRMサザビーズ「Monterey 2024」オークションに出品されたフェラーリ456GTは、1994年7月にマラネッロの本社工場からラインオフし、ボディカラーは「ネロ・トロピカーレ」、インテリアは「ベイジェ(ベージュ)」の本革で仕立てられた1台である。
カリフォルニア州ニューポートビーチの「ニューポート・インポーツ」社を通じて新車で販売され、2013年にフロリダ在住の人物に購入されるまで、カリフォルニアの所有権を保っていた。
その後、アメリカ国内での登録履歴を問い合わせられる「CARFAXレポート」によると、このフェラーリはコネチカット州およびペンシルヴァニア州内在住の個人オーナーによって所有され、2017年1月以降は、今回のオークション出品者でもある現オーナーのコレクションに加わった。RMサザビーズ北米本社が公式のウェブカタログを作成した際の走行距離は、新車からの通算で1万4353マイル(約2万5200km)に達していると伝えられていた。
今や日本国内でも1000万円越えが珍しくはない
最後のアナログ・フェラーリのひとつである456GTは、内外装ともイタリア流エレガンツァを究めたデザインに、フロント搭載の強力なV型12気筒プラントを備えるかたわら、4人乗りの実用性と独特のゴージャスな魅力も備え、素晴らしいドライビング体験と、世界で最も知名度が高く、名高いブランドのひとつであるフェラーリを所有するスリルを味わうことができる。
今回のオークション出品に際して、RMサザビーズはそんな謳い文句とともに、11万ドル~12万5000ドル(邦貨換算約1617万円〜1837万円)という、以前の456GTの相場価格を知る者にとってはかなり強気にも映るエスティメート(推定落札価格)を設定していた。
ところが、モントレー市内の大型コンベンションセンターで挙行された競売では、出品者側が期待していたほどにはビッド(入札)が集まらなかったようだが、それでも終わってみればエスティメート下限を少しだけ割り込む9万5200ドル。すなわち日本円に換算すれば、約1360万円で競売人のハンマーが鳴らされることになったというのだから、やはり456GTのマーケット評価は、かなり動いているということなのであろう。
2+2の12気筒フェラーリの常として、以前はマイナートラブルが頻出するという悪評から、456GTはかなり安価。コンディションに不安のあるものならば500万円以下の売り物もけっこう存在していたはずながら、今や日本国内でも1000万円越えが珍しくはないようだ。
ただし、456GTで高価格のつく絶対条件がマニュアル仕様であるということも、決して忘れてはならないだろう。

















































































