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軽カーだけのレース「東北660選手権」最高峰1クラスをノーマルECUで戦う秘訣は? ダイハツ「ミラ」でランキング首位の若者に聞いてきました

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

東北660選手権の1クラスに挑むルーキー

ギアの組み替えやECUのチューニングが認められ、名実ともに軽自動車レース「東北660選手権」の最高峰である「1クラス」。以前はプロショップのオーナーや公式レースの経験者がほとんどでしたが、この数年は「2クラス」を経てステップアップした若いドライバーが増えています。第3戦を終えた時点でシリーズランキング首位に輝く、ピンクのL275型ダイハツ「ミラ」を駆る鈴木律幸選手もそのひとりです。マシンへのこだわりなどを紹介します。

ノーマルECUでもシリーズランキング首位

2クラスを圧倒的な強さで制してから充電期間を挟み、愛機を1クラスの車両規定に合わせ仕様変更。とはいえ上位のベテラン組が「できるところはすべてやる」姿勢なのに対し、鈴木律幸選手は順位にそれほどこだわっていないというスタンスで、ライバル勢が次々にフルコンを投入するなか、ECUはなんと純正のまま。もちろん戦闘力だけを考えれば書き換えたいのだが、自分で決めた予算の範囲内で楽しむのもまたレースだ。

鈴木選手

それは車両を製作した「ガレージ・カリノ」のコンセプトでもある。例えば車高調も10万円クラスのリーズナブルな製品を使用し、セットアップを煮詰めることで大勢のトップランカーを輩出してきた。とくにダイハツ車は豊富なノウハウを有しており、鈴木選手のミラもそれを具現化した1台といっていい。

しかしECUが純正ではレブリミットを変更できず、クロスミッションの効果が半減とまではいわずとも、大きなハンディキャップになっているのは確かだろう。2本の長いストレートがあるスポーツランドSUGOでは開幕戦が4位、第3戦が3位といずれも表彰台のてっぺんを獲り逃していることからも、マシンの戦闘力がほかの1クラス勢に及んでいないことは紛れもない事実である。

ドライバーとショップ、双方の実力の高さが好結果を生んだ

ところが第2戦のエビスサーキット東コースはパワー差が出にくく、見事なポール・トゥ・ウィンでランキング首位に躍り出た。多くの人を驚かせる結果となったが、ガレージ・カリノの代表であり、東北660で活躍したドライバーでもある狩野 治さんにとっては想定内で、エビスの東西を合わせた2戦に勝てれば王座は現実的になるという。

さらに不利なはずのSUGOである程度のポイントを獲得し、表彰台の一角に立つことができればさらに盤石なものとなる。鈴木選手の卓越したドライビング技術に安定したレース運びと、ガレージ・カリノの繊細なクルマ作りとセッティング能力。ある程度のお金をかけないと勝負にならないと思われがちな1クラスだが、鈴木選手だけに限らずオートリサーチ米沢から同じL275型でエントリーする小松日高選手も、チューニングの内容はいわば「1.5クラス」と呼びたくなるレベルに自制している。

彼らがベテランだらけの1クラスで活躍すれば、ステップアップ予備軍の後押しにもなるはず。すでに「今年で2クラスは卒業します」と公言しているドライバーもおり、若手が東北660の代名詞である1クラスの主役になる日は近いかもしれない。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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