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ヤマハの原付スクーターエンジンを搭載したポルシェ「356」!? 10台ほど作られたレプリカは細部の作り込みのこだわりが半端ない!【マイクロカー図鑑】

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 近藤浩之(KONDO Hiroyuki)

公道を走れる小さな原付レプリカカーは大人の趣味

モータリゼーションが発達し、人々の間に生活のツールとしてのクルマがひと通り行き渡ると、次のステージとして今度はそれを使った趣味・遊びの世界が盛んになりました。そんなクルマ趣味のひとつのジャンルが「レプリカ」です。今回は名車ポルシェ「356」をディテールまで再現した小さな「原付カー」を紹介しましょう。

クルマ趣味界に脈々と根付いているレプリカ文化

ご存知の通りレプリカ(replica)といえば複製のこと。もともとは美術品の分野で使われ、今ではさまざまなジャンルでこの言葉が使われている。クルマ趣味界隈の場合、レプリカが注目される様になってきたのは1960年代末くらいからだろうか。

昨今ほどではないにせよ、戦前に生産された高級車──一連のブガッティやメルセデスの「Sシリーズ」、ジャガー「SS100」など──は当時からすでにコレクターの間で高額で取引されており、万一手に入れられたとしても、そんな博物館級のクルマを気軽に走らせるわけはいかない。畢竟、それらを解決する方法としてさまざまなレプリカが生み出された、と。

ひと口にレプリカといっても、限りなくオリジナルに忠実に作られた複製から、外観をそれらしく似せただけのものまでさまざまだが、今回のイベント会場で出会ったこちらの1台は果たして?

正体不明の原付版ポルシェ356を友人から譲り受ける

見た目は明らかにポルシェ「356」、初期の356Aスピードスターあたりがモチーフだと思しきこのクルマは、しかしご覧の通り小さな原付カー。遭遇したのは2024年9月29日に埼玉県の川島町役場駐車場で開催された「ALL JAPAN minicar MTG(オールジャパン・ミニカー・ミーティング)」の会場である。

「ミゼットに乗っている友人のガレージの中に置いてあったものを、譲ってもらいました。いまから2年ほど前のことです」

と語ってくれたのはオーナーの伊藤一正さん。鮮やかなブルーのボディはFRP、サスペンションを持たないカート風のフレーム後方に搭載されているエンジンは、ヤマハの原付スクーター用とのこと。

当時10台ほど作られたうちの1台

「今回初めて開催されるミニカーのイベントだと聞きつけて三重から参加しました。自走は無理なのでトヨタ デリボーイに積んで」

という伊藤さん。

「趣味の旧車としてはシングル・ナンバーのスバルR2も所有しているのですが、クルマいじりに制約の少ないこの手のミニカーは、やはり楽しいですね」

まだ入手した時の状態のままというボディを改めて見ると、ポルシェ356クラブ・ジャパンのプレートや、名古屋のビンテージ・ポルシェ専門店のシールも貼られている。

「詳細はわかりませんが、このクルマは当時10台くらい作られたようです」

とのこと。もし実車オーナーたちとポルシェのスペシャルショップが協力して、この小さな356レプリカを「生産」していたのだとすれば、我が国のクルマ趣味人のセンスに乾杯! である。

■「マイクロカー図鑑」過去の紹介モデルはこちら

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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