スカイビュー・ルーフが標準装備
さっそくそのディテールを見ていこう。ブガッティの伝統である馬蹄型のグリルはアルミニウム製の専用タイプ。ボディはスポーティなスチールブルーカーボン仕上げで、エンジンルームまわりとボディサイドの特徴的なC字型ラインはマットスチールブルーでペイントされている。
サイドミラーのカバーとフィラーキャップには、フランス国旗のトリコロール「ル・ブルー・ブラン・ルージュ」があしらわれ、さらにアクティブ・リアウイングの下面全体にはその国旗のカラーが全面に採用されている。
前後のマットブラックアロイホイール「ノクターン」の内側に見えるのは、フレンチレーシングブルーにペイントされたブレーキキャリパーとセラミックディスク。スポーツエグゾーストシステムにも、マットブラックの「EB」ロゴが配されていることが分かる。同様の限定車としての特別なフィニッシュは、ディープブルーのレザーインテリアにも施されている。スポーツシートのバックレストとヘッドレストには、やはりトリコロールをモチーフとした刺繍が入り、ステアリングホイールもカーボンファイバーとブルーレザーの専用アイテムで、そしてスタンダードなシロンではオプション装備となるスカイビュー・ルーフが標準装備されていたのも、このモデルの大きな特徴だった。
ミッドに搭載されるエンジンは、もちろん8LのW型16気筒+4ターボ。最高出力は1500psに達し、スタートから100km/hまでの加速はわずか2.4秒以下で、また最高速では420km/hを記録するパフォーマンスが実現されていた。
ワンオーナーで所有されてきた
今回オークションに出品されたモデルは2019年11月25日にドイツで登録されて以来、ワンオーナーで所有されてきたモデル。現在までの走行距離は1461kmと表示されているのみだ。また車両にはブガッティ・オリジナルのシロン・アクセサリー・ボックスのほか、スピードキー、充電器、カーカバーなどが備わっている。
RMサザビーズは、わずか20台の限定車、シロン スポーツ 110 アン ブガッティに、330万ユーロ~380万ユーロ(邦貨換算約5億5176万円~6億3536万円)のエスティメート(推定落札価格)を設定。残念ながら今回のオークションでは落札には至らなかったが、ブガッティというブランドが自動車の世界においては、やはり特別な、そして孤高の存在であることは十分に伝わったのではないだろうか。





























































































