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90年代ホットロッドのプリマス「プロウラー」の試作モデルに運よく試乗…見た目とは裏腹に普通の乗り味でした【クルマ昔噺】

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)

  • プリマス  プロウラー:ステアリングは当時のグランドチェロキー用を流用していた
  • プリマス  プロウラー:1996年の試乗会での1枚
  • プリマス  プロウラー:2台あったプロウラーは、いずれも試作段階のフェーズ1とフェーズ2のモデル
  • プリマス  プロウラー:3.5L V6エンジンを搭載
  • プリマス  プロウラー:大いに期待をして試乗はしてみたものの、そこそこの乗り心地と、そこそこのパワー、かなりシャープなハンドリングという印象を得た
  • プリマス  プロウラー:シャシーはオールアルミ製
  • プリマス  プロウラー:シャシーはオールアルミ製
  • プリマス  プロウラー:フロントサスペンションはインディカーと同じプッシュロッドタイプのダブルウィッシュボーンを採用していた
  • プリマス  プロウラー

試作段階のプロウラーに乗ることができた

モータージャーナリストの中村孝仁氏が綴る昔話を今に伝える連載。今回はわずか1997年に発売されるもわずか5年で生産終了となった個性的すぎるスポーツカー、プリマス 「プロウラー」を振り返ってもらいます。

ほぼコンセプトカーのまま量産化された

今や電動化の流れは止められそうにない自動車業界。21世紀に入り、もう四半世紀が過ぎたが、自動車が誕生したのがそもそも19世紀の終わりだから、まだ150年とは経っていない。しかし、変革とは突如としてやって来るものだとつくづく思う。自分自身が職業として自動車にかかわってそろそろ半世紀、未だに本人は内燃機関の郷愁から抜けきっていない。

時は1993年。30年ほど前の話だが、まだアメリカの自動車業界が元気だったころ、毎年正月に行われるデトロイトショー(NAIASと呼ばれた)に取材に行っていた。

毎年じつに楽しみだった。理由はショーの演出がヨーロッパのそれとは違って、派手で面白かったからだ。その最たるメーカーがクライスラーであった。当時は今とは違う5ブランドがラインアップされ、今はそこからイーグルとプリマスが消え、かわりにモパーとラムがブランドとして加わっている。

その消えたブランドのひとつ、プリマスからこの年、アッと驚くモデルが披露された。もちろん当時はコンセプトカー。そしてまず量産化は無いと思っていたモデル、それが「プロウラー」である。

完全に現代風のホットロッドそのもので、あろうことかサイクルフェンダーを装備したモデルだった。ところがこちらの予想に反し、1996年のデトロイトショーで当時のCEO、ボブ・イートンが、プロウラーの量産化を宣言したのだ。こうしてほぼコンセプトカーのまま量産化されることが決まった。

2台しかない開発途上の段階で試乗に成功!

こうなると当時まだ若かった私のジャーナリスト魂に火がついて、なんとかこれに乗れないものかと画策。まだ実際に動くクルマが2台しかない開発途上の段階で、ラッキーなことにこのクルマを試乗するチャンスを得た。2シーターモデルだから乗れる人数は2人。クルマは2台しかないから合計4人のジャーナリストが、アメリカ、サンディエゴ近郊に集められた。1996年のことである。

集められたジャーナリストは「far from USA」というカテゴリーで、日本、オーストラリア、南アフリカ、それにブラジルだったと記憶するが、アメリカから遠い国のジャーナリストの枠に組み入れられた。南アフリカが遠い国であることは想像がついたが、まさかLAに行くのに日本が一番近い国だとは思わなかった。

2台あったプロウラーは、いずれも試作段階のフェーズ1とフェーズ2のモデル。それぞれが4~5台ずつ作られたというもので、この2台はステアリングのフィールが異なった味付けにされていたほか、進化版のフェーズ2仕様では、助手席の背後に6連装のCDチェンジャーを装備(時代を感じさせる)したり、小型のオイルクーラーを左右マフラーの間に装備したりと、いくつかのディテールが異なっていた。

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