レトロモビル2025にレストアされた3500GTを展示
2025年2月5日(水)から9日(日)までフランスで開催された「レトロモビル2025」にマセラティ「3500GT」が展示されました。このクルマはマセラティ クラシケのサポートを受け、コーチビルダーのトゥーリング・スーペルレッジェーラ社によって細部に至るまで丁寧にレストアされています。マセラティ クラシケについて紹介します。
オリジナルの輝きを取り戻した3500GT
フランスの「レトロモビル2025」で展示されたマセラティ「3500GT」は、カリフォルニア市場向けに作られた特別な1959年式のモデルで、ダッジ家が数十年にわたって所有してきた特別な歴史を持っている。
イタリアのトゥーリング・スーペルレッジェーラ社によってフルレストアされたこの3500GTは、マセラティ クラシケの技術的および資料的なサポートを受けながら、トゥーリング・スーペルレッジェーラ社によってオリジナルの輝きを取り戻した。
マセラティ クラシケは、シャシー、エンジンとそのコンパートメント、トランスミッションを含むクルマのすべてのコンポーネントの検査と認証を行い、サスペンション、ブレーキ、ホイール、タイヤの状態も徹底的に確認された。
ボディワーク、インテリア、エクステリア、色や素材、そして電気系統やすべてのアクセサリーも認証され、トゥーリング・スーペルレッジェーラ社のレストアサービスに込められた卓越したクラフツマンシップとレストアサービスの価値も同時に認められた。
3500GTは、マセラティ クラシケから真正証明書が授与された。これは、300以上の技術検証を行い、オリジナルの設計図との完全な一致を確認した結果である。
マセラティ クラシケとは
マセラティ クラシケは、トライデントブランドの遺産の保存とオリジナリティの維持を目的に、オーナーやコレクター向けの独自サービスを提供している。
この認証プロセスは、専門家からなる委員会によって保証され、20年以上前のマセラティ車や、「MC12」や「クアトロポルテ」の限定シリーズなど、最近のものを含む特別なシリーズが対象となる。また、このプログラムにはクルマの整備も含まれ、社内で完結するオンデマンドカーディテイリングサービスも提供される。
また、このプログラムはコレクターや顧客と協力しながら、クルマの保存と、オリジナルに忠実なレストアをサポートするサービスを提供する。マセラティ クラシケは交換部品の製作などを行って最高の技術を駆使し、外観を変えることなく部品の信頼性と機能性を向上させている。
AMWノミカタ
今回のレトロモビルでは「MC12 コルサ ブルー ビクトリー」、新型「GT2ストラダーレ」や「MC20 チェロ ブルー ビクトリー」などが展示されたが、やはり一番の目玉は3500GTであろう。「速く、そして安心して乗れるグラントゥーリズモ」を初めて量産車で実現したのがこのモデルである。そしてグラントゥーリズモの精神は現代のマセラティにも色濃く受け継がれている。
マセラティ クラシケの特徴は、ブランドの遺産の保存とオリジナリティの維持を目的としており、厳格な認証プロセスがあるため、それがどこでレストアされていようが問題はないということと、オリジナル部品を再生し供給している点にある。
今回の3500GTはトゥーリング・スーペルレッジェーラ社によってレストアされたが、この車のレストアの様子は同社のホームページで細かく紹介されているのでぜひご確認いただきたい。
1957年のジュネーブ・モーターショーでデビューした3500GTの1台は、トゥーリング・スーペルレッジェーラ社の前身であるカロッツェリア・トゥーリング社によって作られたプロトタイプだったという。再び3500GTが再生される運命も面白い。