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「eスポーツ」の光と影…2033年には現在の約6倍の市場規模に!? ダイバーシティの風潮にマッチするも問題点もあるようです【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 2025 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc./木下隆之(KINOSHITA Takayuki)

  • 世界大会ではステアリングコントローラーを使用して行われる (c)2025 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc.
  • 世界大会では、参加者が特定の会場に集まって対戦する(c)2025 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc.
  • 東京オートサロン2025の会場では、川畑真人選手、Mad Mike選手がeスポーツ公開バトルに参加
  • 東京オートサロン2025の会場では、TOYO TIRES「グランツーリスモ7 ドリームチャレンジ」が行われた
  • 『グランツーリスモ7』の世界チャンピオン宮園拓真選手(c)2025 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc.
  • オンラインで世界と繋がりアバターで戦えるため、リアルスポーツのように体力や筋力に左右されない(c)2025 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc.
  • 基本はバーチャルでも、リアルの興奮は欠かせない(c)2025 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc.
  • 『グランツーリスモ7』の世界チャンピオン宮園拓真選手(c)2025 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc.
  • 東京オートサロン2025では『グランツーリスモ7』の世界チャンピオン宮園拓真選手と対戦するステージも注目された
  • 『グランツーリスモ7』の世界チャンピオン宮園拓真選手(c)2025 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc.

eスポーツは、年齢を重ねても気力がある限り戦える!

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「eスポーツ」。今後さらに評価されそうだと思う反面、心配事もあるようです。

世界大会は特定の場所に集まり対戦

2033年の世界の「eスポーツ」の市場規模は、現在の約6倍に成長すると予想している調査会社もあるようですね。世界的に見れば日本のeスポーツ人口は少ないそうですが、それでも今後ファンは増え続け、すでにJリーグと同じくらいの規模になっているとも言われています。リアルなモータースポーツの人口をはるかに上回っていることになるのです。

市場規模の拡大に比例して、賞金総額も急増しているそうです。プレーヤーの中には億単位で稼ぐ人もいるため、eスポーツはもはや立派なプロスポーツになっています。プレイステーションの『グランツーリスモ』でも世界大会が開催されており、ゲームでありながらオンラインで世界中のプレーヤーと対戦できますが、参加者はわざわざ特定の会場に集まって対戦するのだそうです。基本はバーチャルでも、やはりリアルの興奮は欠かせないのでしょう。

サーキットレースでは避けられない深刻な事故にありません。わずかなクラッシュで数十万円から、トップカテゴリーでは数億円が修理費に飛ぶ……といった浮世離れもありません。資金的に恵まれていなくとも、世界のトッププレイヤーになれる可能性があります。

eスポーツのメリットは、SDGsの観点とも親和性があります。オンラインで世界と繋がりアバターで戦えるため、リアルスポーツのように体力や筋力に左右されません。性別や年齢、あるいは障害の有無に関係なく参加できる点も魅力です。DNA的な体格差にも影響されません。

センスだけが求められる戦いだけに問題点も

たとえば、バスケットボールをリアルにプレイするには一定の身長やジャンプ力が必要ですが、eスポーツでは体格に恵まれなくても世界に挑戦できるのです。夢が広がりますね。細身でも横綱になれそうですし、メタボな体型でも世界陸上で金メダルを獲る可能性があります。ダイバーシティが注目されている今、さらにeスポーツが評価されそうな気がしますね。

もっとも、eスポーツの才能の面では身体的な能力も重要です。幼少期からeスポーツに親しんでいるほうが有利だと言われています。その意味ではリアルスポーツと大差ないようです。そのため、最近ではドーピング問題も浮上しているようです。鋭敏な反射神経が求められるので、何らかの薬物を使って身体的な能力を向上させるプレーヤーもいると噂されています。

オンラインでの対戦では問題がなくても、会場に集まっての戦いでは緊張感も伴うでしょう。心拍数を抑える薬を常用するプレイヤーも出現するかもしれません。緊張を和らげる薬物を頼りにするプレイヤーもいるのではないかとも言われています。なかには、身代わりがいるという話もあります。

とはいえ、eスポーツは年齢や筋力に無縁で、センスだけが求められる戦いであるため、この世界を推奨する仲間も多いのです。年齢を重ねても気力がある限り戦えるというわけですね。

リアルモータースポーツからバーチャル・モータースポーツへの移行期を迎えているのかもしれません。

© 2025 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc.
“Gran Turismo” logos are registered trademarks or trademarks of Sony Interactive Entertainment Inc.

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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