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ニュル初出場から35年! 木下隆之は2025年も「GRスープラ GT4」で挑みます! みなさん応援よろしくお願いします【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: トーヨータイヤ(TOYO TIRES)

  • トヨタ GRスープラ GT4 EVO
  • Aピラーには木下さんのステッカーが貼られている
  • ドイツ・ニュルブルクリンクで行われている耐久レースのスタートシーン
  • タイヤはもちろんトーヨータイヤのレーシングスリックで挑む
  • 第46回ADAC ACASカップでのトロフィー
  • 2025年もニュルブルクリンク耐久レースに出場する木下隆之氏
  • 日本のタイヤを履く、日本車でニュルを制覇する

トヨタ GRスープラGT4で参戦

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「ニュルブルクリンク」。日本人最多出場、最高位記録を保持する木下さんは2025年も参戦が決定しています。

初めてのマシンはR32 GT-Rだった

渡航を証明するスタンプもまばらな赤いパスポートを握りしめ、閑散とした成田空港でフライト情報の掲示板を眺めたのは35年前でした。

「もう35年にもなるのか……」

「まだ半世紀も経っていないのか……」

長いのか短いのか、月日の流れの速度に混乱させられる。緊張しながらボーイング747に飛び乗り、フランクフルトを目指したのは1990年のことだから、日本はバブル経済の余韻に浸っていたあの時代です。

もっとも僕は当時の多くの若者がそうであったように呑気な気分ではなく、何かを背負わされているかのような重圧を抱えての渡独だったことを思い出します。僕は日産「スカイラインGT-R」(R32型)でニュルブルクリンク耐久レースに参戦するために、フランクフルトへの往復チケットを手渡されていたからです。

あれから35年。2025年も僕はニュルブルクリンク耐久レースに参戦します。

1990年にスタートしたニュルブルクリンク詣(もうで)から現在まで、強いこだわりを胸に挑戦を続けてきました。コロナ禍に端を発した渡航禁止令によって連続出場は途絶えてしまいましたが、2022年にクラウドファンディングにより支援者に恵まれ参戦を再開、孤軍奮闘のそのレースを観察してくださったトーヨータイヤから2023年に挑戦をスタートさせたのです。

日本のタイヤを履く、日本車でニュルを制覇

僕がニュルブルクリンク詣にこだわるのは、ナショナリズムと無関係ではありません。1990年の日産スカイラインGT-Rは惨敗に終わっています。世界のツーリング選手権席巻が宿命でしたが、世界の厚い壁の前では無力でした。そこでフツフツと芽生えたのは、リベンジへの誓いです。日本車に乗る日本人のニュルブルクリンク制覇を心に誓ったのです。

僕がトーヨータイヤと契約することになったのも偶然ではないと思っています。日本人がドライブする「日本のタイヤを履く、日本車でのニュルブルクリンク制覇」が目標になったのです。

ナショナリストを国粋主義者と訳してしまうとややニュアンスがズレてしまいそうですが、平たく言えば僕は日本人ですし、祖国である日本に愛着があります。幸いにも日本は自動車大国であり、性能の高さに誇りがあります。その悲願を胸に今年もニュルブルクリンクに挑戦することにしたのです。

マシンはトヨタ「GRスープラ GT4」になります。タイヤはもちろんトーヨータイヤのレーシングスリックです。ドライバーである僕が日本国籍であることで、リベンジのシナリオは整ったのです。

開幕戦は2025年3月22日です。応援よろしくお願いします!

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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