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スズキ現行「アルト」だけのワンメイクレース「HA36カップ」最終戦を制したのは!?「SUGOの魔物」で波乱の展開…漁夫の利を得たのは?

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • HA36カップはクラスごとに最低重量が定められている。戦闘力を均一化すると同時に、安全性が低下するような軽量化も避けられる
  • スズキ HA36型 アルト:1クラス準優勝の888号車“姉・珍”
  • スズキ HA36型 アルト:1クラス3位の963号車 岡部皓輝
  • スズキ HA36型 アルト:2クラス準優勝の361号車 高松正雄
  • スズキ HA36型 アルト:2クラス3位の390号車 佐久間航平
  • ターボGPには自分のホンダ S660で参戦し、HA36カップはレンタル車両で参戦する阿部優翔。両カテゴリーでシリーズチャンピオンに輝いた
  • 開幕戦の病欠が惜しまれる筧 拓実。第2戦は3位で第3戦は優勝しているだけに、2025年も参戦できればチャンピオンの最有力候補だ
  • 東北660・HA36カップ 2024年第3戦:1クラスの表彰式
  • 東北660・HA36カップ 2024年第3戦:2クラスの表彰式
  • 決勝は惜しくも3位にポジションを落とした岡部皓輝。同日に併催の東北660選手権・特別戦も岡野智大とのコンビで表彰台をゲット
  • スズキ HA36型 アルト:2クラス優勝の113号車 阿部優翔
  • スズキ HA36型 アルト:1クラス優勝の314号車 筧 拓実

軽自動車だけのレース「東北660」シリーズは2025年も開催

15年という歴史を持つ軽自動車レース「東北660シリーズ」のなかで、もっとも新しいレースのカテゴリーが「HA36カップ」です。車両がスズキHA36型「アルト」のワンメイクであることに加え、改造範囲が他のレースに比べ大きく制限されており戦闘力の差が少なくないため、必然的にドライバーの技量、またセッティング能力が勝敗のカギを握ることになります。2025年も開催されるこのHA36カップ、どんな戦いが繰り広げられているのでしょうか。

2024年第3戦 1クラス:冷えた路面で過酷な展開に

スズキの現行HA36型「アルト」だけのワンメイクレースである「東北660・HA36カップ」。2024年12月1日に宮城県のスポーツランドSUGOで行なわれた、同年の最終戦となる第3戦の模様をレポートしよう。

まずMTの1クラスは963号車 岡部皓輝がポールポジションを獲得。この数年というものほぼ全戦にエントリーしており、練習にも通っているため地元勢と勘違いされがちだが、じつは京都から毎回のように自走しているドライバーだ。レース本番だけじゃなく練習も熱心に通い、試行錯誤しながら着々とタイムを縮めてきた。その努力が見事に実ったポールポジションといえるだろう。

なお2番手は岡部のチームメイトである314号車 筧 拓実。東北660選手権でチャンピオンに輝いた実力派で、2024年の開幕戦は体調不良で惜しくも欠場したものの、以降は安定したタイムと順位を記録し続けている。3番手には歴代のシリーズチャンピオンたちが乗り継いだ、オートリサーチ米沢のデモカーを駆る311号車 熱田行雲が食い込む。

決勝は12月の冷えた路面でスピンやコースアウトが続出、熱田もそんなコースコンディションの犠牲になってしまう。2回のリスタートを経てトップでチェッカーフラッグを受けたのは、2番手に32秒もの大差を付けた筧でファステストラップもマーク。準優勝には大ベテランの888号車“姉・珍”、ポールポジションの岡部は3位でレースを終えた。

狙っていたポール・トゥ・ウィンこそ叶わなかったが、岡部にとっては初めてのポールポジションだったし、過酷な決勝を文字どおり生き残り表彰台に立ったのは、貴重な経験。今後に向けての糧となるに違いない。

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