クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • チョップドルーフは、たった5センチでぜんぜん印象が違う!「ミニ スプリント」と運命的に出会った古着好きオーナーのクラシックカーの楽しみ方とは
CLASSIC
share:

チョップドルーフは、たった5センチでぜんぜん印象が違う!「ミニ スプリント」と運命的に出会った古着好きオーナーのクラシックカーの楽しみ方とは

投稿日:

TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)

  • ミニ スプリント:1992年製の1000ccの99Xというモデルをベースに、スプリントボディへとモディファイされている
  • ミニ スプリント:スプリントボディではスムージングされていることが多いと雨樋も残っていることから、実用性の高いスプリントとはオーナー吉川さんの弁だ
  • ミニ スプリント:防寒のためグリルマフが装着されている、ファッション製も気に入っているが、寒い冬の日には水温の安定感が格段にアップするアイテムだという
  • ミニ スプリント:こちらのライトも、吉川さんの好みにより装着された通称エンジェルアイ。プロジェクターランプは夜道も安心して照射してくれる
  • ミニ スプリント:「スピードスターぽいけど、ちょっと違うんです、なんでしょうね?」とオーナーの吉川さんの言葉だが、スプリントボディにベストマッチしたホイール
  • ミニ スプリント:ツインキャブレターにアルミ製のファンネルを装着したエンジン。1000ccから1300ccに排気量アップしている
  • ミニ スプリント:ルーフにはポップアップのサンルーフが備わっている。これもスプリントには珍しい
  • ミニ スプリント:インパネはセンターメーター化され、小径のモトリタのレザーステアリングがインテリアを引き締めている
  • ミニ スプリント:ベースはコルビューのローバックスタイルのバケットシートであるが、イギリスの名門スピードウェルの刺繍のワッペンが備わるのは別注だからか
  • ミニ スプリント:カーブーツ(イギリスでトランクの呼び名)に装着するテーブルもクラシック
  • ミニ スプリント:カーブーツ(イギリスでトランクの呼び名)に装着するテーブルもクラシック
  • クラシックミニを愛する有志によって作られたイベント実行委員会。同じくミニを愛する仲間たちを迎える準備がひと段落したボランティアスタッフたちの、早朝のひとこま
  • ミニ スプリント:サンルーフは、このハンドルを回すと、手前をヒンジとしてポップアップするそうだ。雨漏りなどは一切ないらしい
  • ミニ スプリント:憧れていたクラシック・ミニ、しかもスプリントという希少モデルと運命的に出会いオーナーとなった吉川さん。イベント参加などを楽しんでいるという

ベースは1992年製ローバー ミニ 99X

ブリキのおもちゃのように可愛いクラシックな佇まいのローバー「ミニ」。でもよく見ると、普通のミニとはちょっと違うような……。じつはルーフを切って車高を低くしてモディファイした「ミニ スプリント」と呼ばれるカスタムモデルなのでした。2年ほど前にこのクルマを手に入れたオーナーに話を聞くと、数奇な出会いの物語がありました。

イタリア製サンルーフを備えたミステリアスな個体

「クラシック・ミニは、ずっと乗ってみたいと憧れていたクルマです。そして色もシルバー限定でした。ブリキのおもちゃみたいで可愛いじゃないですか」

というのは、2025年3月2日、「ミニの日」に筑波サーキットで行われた「ミニ カーブーツ ミーティング」でボランティアスタッフのひとりとして、朝早くから場内でクラシック・ミニの交通整理を担当していた吉川さんだ。

来場者の誘導もようやく終わり、自身のクラシック・ミニのトランクリッド(これを英国ではカーブーツと呼ぶ)にちょうど水平になるよう天板をセットして、ポットを置いてコーヒースタンドの支度中のところ、お話を伺ってみた。

これが初めてのクラシック・ミニという吉川さんの愛車は、一見普通のミニとの違いはなさそうだが、何かが違う。

「気づいてもらえましたね! このミニはミニ スプリントと呼ばれていて、全高が低くなっているんですよ。私のミニは2インチ(約5cm)、ルーフが低くなっています」

このルーフのチョップトップは、前面投影面積を小さくして抵抗を減らして低重心化にもなる、競技での優位性を持たせたモディファイとして、1950年代くらいから行われていた手法だ。クラシック・ミニではスチュアート&アーデン社によるミニ スプリントが、その代表的なチョップドモデルである。

とはいえ、単純にガラスをカットするだけでなく、形状の変化のない屋根をそのまま下げるには、AピラーおよびCピラーの角度はもちろん、窓枠もそれに合わせる必要がある。単純な作業ではない。

「日本でも1990年前後にナリタガレージさんというビルダーで同じチョップド・ミニを作っているんですよ。それはGTSというネーミングでしたが、私のミニは1992年製のミニをベースに製作されたのは分かっているのですが、製造された時期やビルダーは不明です」

各部を見るとあまり目にしないイタリア製のサンルーフも装備されていることから、おそらく欧米でのモディファイかと思われるが、ミステリアスな部分も面白い。

 

偶然に偶然が重なって愛車となった

ちなみに、このミニ スプリントとの出会いも思い出深いという吉川さん。聞けば、お子さんが自立したことで、ミニに乗りたいという思いが再燃。ある日、地元・茨城県のショップ「ガレージルーフ」を通りかかると、イメージにぴったりのシルバーのミニを見つけたそうだ。さっそく入店して話を聞くと、ちょうど前日、売約がキャンセルになった直後だという。

「1日早く入店していたら、売約済みで諦めてましたよね」

そんな妙縁もあり、愛車となったミニ スプリントは吉川さんを虜にする。

「私は古着が好きなんですけど、クルマも洋服と一緒で自分をアピールするものだと思っています。たまたま巡り会ったスプリントは、ビンテージ古着との運命的な出会いにも似ているのも良いですね」

30年前からの憧れのクラシック・ミニのオーナーとなった吉川さん、まだ購入して2年にも満たないもの、全国各地で開催されるクラシック・ミニのイベントにも参加し、2年弱で1万7000kmを走っている。

「憧れていた以上のクルマでしたね! 何よりハンドリングが素晴らしい。これまでドライブと思っていたのは、ドライブではなくただの移動だと本当に思いましたよ(笑)。イベントに行く道中も楽しいですし、イベントで仲間が増えていくのも嬉しいですね」

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

すべて表示

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS