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「ちょっと直せば乗れるよ!」から13年…「ミニ トラベラー」でドロ沼に! 英国から持ち帰ってボディ以外は全てDIYで仕上げました

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • モーリス ミニ トラベラー:今回ACJ熱海HISTORICA G.P.meetingに初めて参加。ナガモノ仲間と一緒にイベントを満喫した
  • モーリス ミニ トラベラー:ブレーキはオリジナルの4輪ドラム。イベントへの参加やドライブに使っており、レストア後の走行距離は6500マイル(約1万km)。4速MT仕様だ
  • モーリス ミニ トラベラー:外装色は極初期のミニにだけ採用されたクリッパーブルー。サスペンションはオリジナルのラバーコーンとビルシュタインのダンパー
  • 10インチの純正スチールホイールにダンロップのSPスポーツ(アクアジェット)145/SR-10を組み合わせている
  • モーリス ミニ トラベラー:シートやステアリングは純正で、メーターは純正+黒のメトリック製を装備。1960年代当時モノのオプションパーツやアクセサリーでドレスアップしている
  • モーリス ミニ トラベラー:イギリスでゲットしたリビルト済みエンジンの排気量は848cc。日本でオーナー自ら分解して組み直し、通販で買ったエンジンクレーンで搭載。キャブはSUだ
  • 「増車の計画は、ありません。ミニ トラベラーとM2 1001は手放せないと思いますが、フィアット 500 アニベルサリオは妻の気分次第で変わるかもしれません」
  • モーリス ミニ トラベラー:ルーフラックはWINGARD製。“marron_mini”さんのミニ トラベラーは、インナータンクと呼ばれる燃料タンクが荷室内の左側にある仕様だ
  • モーリス ミニ トラベラー

ボロボロの状態からフルレストアし公道復帰!

2024年10月12日に静岡県熱海市の長浜海浜公園 芝生広場で開催されたACJ熱海HISTORICA(ヒストリカ)G.P.meeting2024(オートモビル・クラブ・ジャパンが主催)。さまざまなクルマが集まる海沿いのイベントにて、個性的な趣味車とオーナーを取材してきました。今回はモーリス「ミニ トラベラー」を紹介します。

勢いで買ったものの床に穴が……

「イギリスで乗っていたシトロエン BXの調子が悪くなり、衝動的にオースチン ミニ カントリーマンを探すことにしたんです。でも、いざ探し始めてみたら、なかなか良いのが見つからなくって。あきらめムードの中、スクラップ同然の1961年式モーリス ミニ トラベラーを発見。ちょっと直せば乗れるよ! と言われ、勢いで購入してしまいました。2000年のことです」

水色の愛車の前でそのように話してくれた“marron_mini”さん(取材時60歳)は、仕事の関係で1998年の夏から2002年の夏までイギリスに住んでいた。向こうでの移動の足が先輩から引き継いだシトロエン「BX」だったのだ。

「イギリス赴任時にミニ トラベラーを買った当初、これは妻用の足グルマになるぞ! と思って、自分用の趣味車として旧いロータスかトライアンフあたりを手に入れちゃおう……とか夢見ていました」

しかし、残念ながら自動車の神様が“marron_mini”さんに微笑むことはなく、結局、イギリスで購入したミニ トラベラーは床に穴が開いているような「草ヒロ」寸前で、レストアするしかなかった。

鈑金塗装以外は全てDIY!

「どう見ても復元必須の状態で、やむなく現地のショップにレストアを依頼しました。しかし、最初のショップでのレストア時に前金を持ち逃げされ、2軒目はなかなか作業が進まないままギブアップされ、3軒目は作業してくれたものの時間切れで私が日本に帰国することになり、なんと、イギリスで運転することができませんでした」

イギリス赴任中にすべてを直すことができなかった“marron_mini”さんは必要なパーツを彼の地ですべて買い込み、やっつけ仕事で復元したドンガラボディの中に満載して日本へ送った。

「すべてのパーツをボディの中に積むことができなかったので、同送品として高さ2mのパレットも日本に送りました」

日本に帰国してからボディの鈑金塗装のみスペシャルショップでやってもらい、その他の部分は“marron_mini”さんがすべて自らの手でコツコツ仕上げたのだという。ようやく完成したミニ トラベラーがナンバーを取得できたのは2013年の夏で、運命的な出会いから13年もの歳月が流れていた。

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