アルトにもウォークスルーバンが存在した!
2024年10月12日に静岡県熱海市の長浜海浜公園芝生エリアで、「熱海HISTORICA G.P.Meeting 2024」が開催されました。主催はさまざまなイベントを開催している、東京都国立市に本拠を置くオートモビル・クラブ・ジャパン(ACJ)です。さまざまなクルマが集まる海沿いのイベントから、個性的なスズキ「アルト ウォークスルーバン」を紹介します。
荷物や小さなバイクを積むために購入
「標準仕様が好きなので、このクルマもほとんどの部分がオリジナル状態を保っています」
そのように話してくれた“いとちゃんmotors”さん(63歳)の愛車は、スズキ「アルト ウォークスルーバン」だ。てっきりダイハツ「ミラ」だと思い込んで話しかけるとアルトだったので、驚いてしまった。「へぇ~、アルトにも派生モデルのウォークスルーバンがあったのか!」という知識レベルで取材がスタートしたので何がオリジナルなのか情報がゼロだったが、それを察した“いとちゃんmotors”さんがいろいろ説明してくれた。
「このバンは1987年式で、荷物の積み降ろしの利便性を第一に考え、背の高い箱型のキャビンとスライド式の大型乗降ドアを採用しています。その結果、ユニークなデザインになりました。高いルーフと低い床面の荷室を備え、運転席から荷室に直接入って作業することができます」
日産「スカイライン」、スズキ「ジムニー」、そして40年前から所有しているダットサンSR311型「フェアレディ」を残し、荷物や小さなバイクを積むために1年6カ月前に迎え入れたのだという。
昔のものを上手く復元してレストア
「このアルトの存在は前から知っていて、7~8年間ずっと雨ざらしだったんです。雨の日は本当にかわいそうでした。持ち主に誠意をもって話をして、譲っていただきました。手元に来てからは、まずキャブレターや点火系をオーバーホールしました。標準仕様はエアコンを装備していないので、いまどきのものを加工して取り付けました。効きが悪いですけどね」
どうしてそのような作業がDIYで可能になるのか? と伺うと、“いとちゃんmotors”さんは自動車整備のプロだった。
「旧車の部品が壊れたときは、純正品がないことや高額すぎて手に入らないことがあります。そのような場合は、分解不可の部分でも、なんとかバラして修理しています。部品のアッセンブリー交換は誰でもできますから、分解修理まで可能といった意味では、ちょっとだけアドバンテージがありますね。
レストアについては、ピカピカにキレイにするだけではなく、昔のものを上手く復元することも大切だと思っています」
アルトで北海道シングルキャンプ旅をしたい
エンジン排気量が550cc時代の軽自動車で、エンジンが水冷4サイクル直列3気筒SOHC 6バルブなので力がなく、シグナルダッシュで他車に簡単に置いていかれてしまうらしいが、通勤やレジャーに使っているのだという。
「今後、このアルトの荷台に小さなホンダ モンキーを載せて、北海道のんびりシングルキャンプ旅がしたいですね」
購入時に2万6000kmぐらいだった総走行距離は3万5000kmまで伸びたらしいが、北海道に行ったらすぐさま4万kmを突破するだろう。再びバリバリ使ってもらえるようになったウォークスルーバンも北の大地を走りたいはずだ。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)