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バーボンウイスキー「メーカーズマーク」蒸留所を訪問…赤い蝋封はすべて手作業にビックリ! マンモスケープ国立公園で久々のキャンプ泊で癒やされる【ミシシッピ川ブルース旅_17】

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TEXT: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)  PHOTO: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)

  • ケンタッキー州ロレットのメーカーズマーク蒸留所を目指す
  • 道の両側にはとうもろこし畑が広がる
  • この地域には17世紀の生活様式を守るアーミッシュが住んでいる。彼らはいまだに馬車を移動手段にする
  • メーカーズマーク蒸留所の工場ツアーに参加
  • 創始者のビル・サミュエルと奥さんのマージー
  • 森に囲まれるように建て屋が点在する
  • ホールにはアートが展示される
  • トレードマークの赤い蝋封は、担当者ふたりがおしゃべりをしながら作業していた
  • ケンタッキー州ロジーンにある私設のビル・モンロー博物館
  • 音楽のルーツは家族で演奏するフォークソングだった
  • ビル・モンロー&ブルーグラス・ボーイズ。新しい音楽を創造した
  • ビル・モンローの愛車。車高が高いのが気になる
  • ビル・モンローが生まれた家
  • ツアー・ガイドのジェーイさん
  • マンモスケーブ国立公園のエントランス
  • 洞窟の入り口までは、旧型のボンネットバスで移動
  • 洞窟に入る前にレンジャーから注意事項を聞く
  • 洞窟の深部に降りていく。空気はひんやりだ
  • キャンプ場にチェックイン。気持ちいい!
  • よく考えたら、テントのペグを打つハンマーがない。そこで思いついたのが車載工具のジャッキ。うまくいきました!
  • 例によってキャンパー拝見。こちらはバイクのキャンパー
  • ダブルキャブ・ピックアップを架装。これはかなり広いぞ
  • 大型トレーラーを牽引し、さらに大きなテントを張っている
  • クラシックなモーターホーム。憧れます
  • バスをベースにしたモーターホームをクラスAと呼ぶ。ヒョンデは現地での移動用に牽引してきたもの
  • ぼくのテントサイト。カリフォルニア以来、久々のテント泊となった
  • さすがケンタッキー州。ガソリンスタンドに付属するフードマートのおすすめがフライドチキンだ

ケンタッキー州といえばバーボン・ウイスキー

2024年の8月末から、アメリカをミシシッピ川沿いに南北縦断して音楽の歴史をたどる旅に出ることにした筆者。ブルースの故郷である「ミシシッピ・デルタ」を仲間と4人で巡った後は、ひとり旅。ニューオリンズのハーツレンタカーで借りたキア「スポーテージ」を“キムさん”と名づけて相棒とし、ミシシッピ川流域を北上。テネシー州のメンフィスをナッシュビルを訪れて、今度はケンタッキー州へと向かいます。

丘を抜けていく早朝ドライブは爽快そのもの

午前4時半、ナッシュビルの安モーテルを出発。夜明け前のインターステート65を北に向かってひた走る。徐々に東の空が明るくなり、あたりが見えてくると、森の中を走っていることがわかった。谷に朝霧が溜まっている風景は幻想的だ。

夜が明ける頃、ケンタッキー州ボウリング・グリーンを通過。シボレー「コルベット」が生まれた街として知られ、以前、工場を訪ねたことがあるが、今回は残念ながらパス。先を急ぐ。

フリーウェイを下り、メーカーズマーク蒸留所があるロレットを目指す。浅学にもケンタッキー州は広々とした牧場ばかりと思っていたが、ゆるいワインディングの両側にはとうもろこし畑が広がっている。次々に丘を抜けていく早朝のドライブは爽快そのものだ。早起きしてよかった!

今も昔ながらの製法を守るメーカーズマーク

バーボンはとうもろこしを主原料として作るケンタッキー州特産のウイスキーだ。第3代大統領トーマス・ジェファーソンが、イギリスとの独立戦争のときにフランスがアメリカを支援したことに感謝して、この地域をブルボン(バーボン)と名づけたことが由来だそうだ。

集積地であるバーズタウンがバーボン文化の中心で、多くのブランドがこの町の郊外に醸造所を構えている。バーボン・ウイスキーを名乗るには原材料の比率などに厳しい規則がある。また、ケンタッキー州で作られていることも絶対条件だ。したがって、テネシー州にあるジャック・ダニエルは、同じくとうもろこしを原料とするがテネシー・ウイスキーと呼ばれる。

メーカーズマークはビル・サミュエルと妻のマージーが1954年に少量生産からスタートしたブランドだ。今も家族経営を守り、メガ・ブランドに比べれば生産本数はずっと少ない。トレードマークである赤い蝋封も担当者が手作業で1本ずつ行っているのにはびっくりした。

緑豊かな敷地に建て屋が点在し、自然の中での生産を大切にしている。それは森が石灰質の土壌を守り、健全な土壌がミネラル豊富な水を生む、という理念に基づく。こんな静かな環境でウイスキー作りに携わるのもいいな、としみじみ思った。それにしても、ツアーは盛況だ。1グループ20人のツアーが20分間隔で出発する。土産物屋もレジが混雑するほど活気がある。ビジネスにも貢献しているに違いない。

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