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ブルーグラスの街オーエンズボロで「BBQ 3種盛り」を堪能! セントルイスでは「ゲートウェイ・アーチ」に登って建設当時に思いを馳せる【ミシシッピ川ブルース旅_18】

ブルーグラスの街オーエンズボロで「BBQ 3種盛り」を堪能! セントルイスでは「ゲートウェイ・アーチ」に登って建設当時に思いを馳せる【ミシシッピ川ブルース旅_18】

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TEXT: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)  PHOTO: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)

ミズーリ州セントルイスで国立ブルース博物館を見学

9月22日、目が覚めると、しとしと降る雨模様だった。ロサンゼルスに降り立ってから、すでに4週間近くが経つが、初めての雨となった。モーテルの部屋で朝食を済ませ、荷物をまとめる。今日の目的地は、250kmほど北西のミズーリ州セントルイスだ。

セントルイスのダウンタウンで“キムさん”(キア スポーテージ)を駐車しようとして、ちょっとしたトラブルがあった。駐車場の支払いの多くは、QRコードを利用するカード決済になっている。手慣れたつもりで操作したが、なぜかうまくいかない。原因はLAで加入したT-Mobileの契約が切れていたことだった。電話自体はソフトバンクの「アメリカかけ放題」で使えるが、日本の電話番号になってしまった。アメリカの電話番号がないと決済ができないのだった。

料金を徴収する人がいる古いタイプの駐車場を探してなんとかクルマを停め、国立ブルース博物館を見学した。セントルイスのブルースといえば、WCハンディ作曲の「セントルイス・ブルース」が思い浮かぶ。ハンディはジャズの作曲家だが、「ブルース」という言葉を初めて使った人物として名を残す。代表曲の「セントルイス・ブルース」は、ブルースという言葉をメジャーにしたことで知られる。ベッシー・スミスやルイ・アームストロングの名演が有名だが、林家木久扇の「いや~ん、ばっかーん」を挙げる人がいるかも?

ゲートウェイ・アーチは下から見ても上から見ても感動!

博物館の充実した展示を楽しんだ後に向かったのは、セントルイスのシンボル、ゲートウェイ・アーチだ。1804年5月14日、トーマス・ジェファーソン大統領の命を受けたルイス・クラーク探検隊がセントルイスを出発した。ミシシッピ川の西、つまり西部を開拓することは、新興国アメリカがヨーロッパの国々と対等に交渉するために必須だった。

考えてみれば当然だが、当時は道などない。探検隊はカヌーを連ねて太平洋を目指して水路を進んだのだった。ゲートウェイ・アーチは探検隊の偉業を讃える記念碑なのだ。

ゲートウェイ・アーチを設計したのはフィンランド人の建築家、エーロ・サーリネン。美しいアーチの形状は、ロープの両端を持って垂らしたときにできるカテナリー曲線を描く。両脚の礎から着工し、アーチの頂上にキーストーンが収まったのは1965年10月だった。建設の様子を記録したフィルムは感動的だ。

アーチ頂上の展望台にはトラムで行くことができる。展望台からは東西50kmずつが見晴らせるが、当然、西の方角が前方となる。なお、トラム設計にあたり、大きなエレベーター会社がすべて建設を断念したが、大学を中退したばかりの青年が2週間で設計図を描き上げたという逸話も残る。セントルイスに行った際は、感動のモニュメントをぜひ訪ねてほしい。

* * *

このミシシッピの旅で筆者が取材した内容を1冊にまとめた本が2025年3月13日に発売となった。アメリカンミュージックのレジェンドたちの逸話とともに各地を紹介しているフォトエッセイ、興味のある方はぜひチェックを。

>>>『アメリカ・ミシシッピリバー 音楽の源流を辿る旅』(産業編集センター)

■「ミシシッピ川ブルース旅」連載記事一覧はこちら

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  • 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)
  • 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)
  • アウトドア誌、ライフスタイル誌などの編集長を経験。2001年にアメリカでキャンピングカーを購入して以来、国立公園を訪ねることをライフワークとする。著書に『アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅』『自分自身を生きるには 森の聖人ソローとミューアの言葉』(ともに産業編集センター)がある。カリフォルニア州シェラネバダ山脈のジョン・ミューア・トレイルを計30日かけて踏破したレポートがデルタ航空機内誌「sky」に掲載され、カリフォルニア観光局のメディア・アンバサダー最優秀賞を受賞。
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