ガラス張りの展示ガレージに保管されていた
ここで紹介するシャシーNo.27271の512BBは、1979年のジュネーブショーに展示されるため用意されたモデルであるとファーストオーナーは証言する。オリジナルのサービスブックによれば、スイスのチューリッヒにあるアウト・ディーノ社を通じて、アメリカ、ニューヨーク州のブルックリンにあるディーラーに新車で納車されたことが確認できる。
またフェラーリのクラッシック部門、クラシケの車両データ・プロダクションシートによれば、そのときのボディカラーはロッソ・キアロ、インテリアはベージュのレザー仕様で納車されたことが記録されている。
シャシーNo.27271はそれから、ニューヨークのナスターゼ・レーシング、ネルキン・レーシング、アル・モア氏などのガレージを渡り歩き、1982年10月には走行距離1万2826kmでカリフォルニア州のスモッグ証明書を受領。さらに複数のオーナーへと渡るが、今回の出品者は走行距離が2万345kmを示したところでそれを購入。以後2万5000ドルをかけたエンジン・アウトのメカニカル・リフレッシュメントを受けたと報告されている。
このモデルはイギリスの地を踏むことになるが、その時に販売した業者の広告にはこのような一文があった。
「29年間、完璧主義を貫くオーナーによって、可能な限りの手段を使ってオリジナルのコンディションを維持してきた。この間、雨に降られたことも、傷つけられたことも、長時間の熱や日光にさらされたこともない。このオーナー以外は運転したことも、洗車したことも、ワックスをかけたこともない。塗装、ガラス、ゴム、内装のレザー、カーペットは工場出荷時のままです」
現在の走行距離は2万1529km。イギリスでも業者の庭にある温度調節可能なガラス張りの展示ガレージに保管されていたこともあり、そのコンディションは抜群。ボナムズが予想落札価格として掲げた15万ポンド〜20万ポンド(邦貨換算約2815万円〜3755万円)という数字に対しての落札価格は17万2500ポンド(邦貨換算約3240万円)。この512BBに象徴されるBBシリーズの人気高騰は、まだまだこれからと考えるべきなのだろうか。
























































