ETC車載器にカード挿しっぱなしはリスクしかない
6月になり、最高気温が25度を超える夏日が徐々に増えてきたこの季節。ETCカードの車載器への挿しっぱなしには注意が必要です。盗難の心配はもちろんですが、高温になる車内の熱で壊れてしまう場合も……。詳細をお伝えします。
高温でETCカードに内蔵するICチップが破損する
真夏の車内は外気温以上に高温になる。炎天下に駐車したクルマの車内温度は50度を超えることも。とくに、ダッシュボードの温度は70度以上になるともいわれているほどだ。
それに対し、ETCカードの耐熱温度は、50℃程度が一般的な目安となる。それ以上の高温になると、ETCカードに内蔵されているICチップが壊れ、カード自体が変形するトラブルの原因にもなる。そのため、高速道路や有料道路を走行しないときは、面倒でもETCカードを抜き取って持ち歩くようにすることをおすすめする。
また、季節にかかわりなく、ETCカードを挿しっぱなしにしておくと、盗難に遭うリスクも出てくる。とくに車外から見えるところにETC車載器があるクルマで、ETCカードが挿入されたままの状態は、車上荒らしに遭うリスクが高まってしまう。
高速道路でも
「SA・PAなどで車から離れるさいには、抜き取って携行することをお勧めします」
といったポスターを見かけたことがあると思うが、万全を期すなら、SAやPAで休憩する際にも、ETCカードを抜いて持ち歩いた方が無難だ。
2018年まではクレジットカードと一体型のETCカードも出まわっていた。かつてのカードを利用している人は、早目にETC専用カードに切り替えるか、クルマから人が離れるときは、必ずETC車載器からカードを抜くことを習慣化するようにしておきたい。
万が一、カードがクルマから盗まれてしまった場合は、すぐに110番通報。ETCカードの発行会社にも連絡して利用停止手続きをお願いしよう。車両保険に加入している人は、保険会社への連絡も忘れずに。ただ、挿しっぱなしにしていたETCカードが盗難され、不正利用されてしまったケースだと、カード会社の保険が適用されない可能性があるので要注意だ。
カード会社の規約では「会員の故意又は重大な過失によって、紛失等が生じ又は損害が拡大した場合、補償の対象外とする」となっているところが多く、「ETCカードの挿しっぱなし」=「盗難の危険性を認識していながら放置していた」とみなされることがあるからだ。
そして、仮に補償されたとしても、ETCカードの再発行手数料がかかり、再発行まで時間がかかる(1〜2週間)。さらにクルマも窓や鍵を壊される可能性があるので、損害は馬鹿にできない……。
したがって、ETCカードは挿しっぱなしにせず、クレジットカードと同様に、車内に放置しないようにするのが基本。同時に高速道路利用時に、カードを挿入し忘れている例も多い。挿し忘れ、挿しっぱなし、どちらもないよう気を付けよう。