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トラックがリアタイヤを浮かせて走る!?プラス200万円の車両費がかかっても必要な理由と機能

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)

  • 路面に接しているタイヤを減らして、転がり抵抗を減少させると燃費は約5%向上する
  • リフトアクスルを使用することでタイヤやブレーキ等の摩耗、消耗を防ぎ、ランニングコストを節約することができる
  • 日本の高速道路では、同じトラックでも接地している車軸(タイヤ)数によって「大型車」「特大車」が区分けされる仕組みになっている
  • 大手の日本フルハーフ製の「リフトアクスル」システムは、軸重9.2トン以上で自動降下して通常の2軸または3軸走行になる仕組みだ
  • 「リフトアクスル」(車軸自動昇降装置)は、エアサスペンションを使用し自動的に車軸を浮かせてタイヤが接地しないようしている

車軸を浮かせることでタイヤの転がり抵抗を減らし燃費が向上

高速道路を走行している大型トレーラーのリアタイヤををよく見ると、一部のタイヤを浮き上がっていることがあります。一見壊れているのでは……?と思う方もいるかも知れません。じつは、故意にタイヤを浮かせて走行しているようです。その理由とは……?

車軸数を減らすと高速道路の料金が節約できる

重い荷物を運ぶトレーラーの軸荷重が軽いとき(荷物が少ないとか空荷)、エアサスペンションを使用して自動的に一部の車軸をリフトさせてタイヤが接地しないようしている。それは「リフトアクスル」(車軸自動昇降装置)というシステムが働いたときにあらわれる現象だ。

日本の高速道路では、同じトラックでも接地している車軸数によって「大型車」「特大車」が区分けされる仕組みになっている。つまり車軸数で通行料が大きく変わるために「リフトアクスル」が考案されたわけだ。

・高速道路で大型車扱いになるトラック、トレーラーの条件は下記のとおり。

普通貨物自動車

[車両総重量8t以上又は最大積載量5t以上で3車軸以下、及び車両総重量25t以下(ただし、最遠軸距5.5m未満又は車長9m未満のものについては20t以下、最遠軸距5.5m以上7m未満で車長が9m以上のもの及び最遠軸距が7m以上で車長9m以上11m未満のものについては22t以下)かつ4車軸]

トレーラー

[けん引普通車と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両、けん引中型車と被けん引自動車(1車軸)との連結車両及びけん引大型車(2車軸)と被けん引自動車(1車軸)との連結車両]

・特大車については下記のとおり。

特大車

[普通貨物自動車・4車軸以上で、大型車に区分される普通貨物自動車以外のもの。トレーラー・けん引中型車と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両、けん引大型車と被けん引自動車との連結車両で車軸数の合計が4車軸以上のもの及び特大車がけん引する連結車両。大型特殊自動車。バス・乗車定員30人以上のもの、または車両総重量8t以上で車長9m以上のもの(いずれも路線バスを除く)]

高速道路の料金は、大型車だと特大車より約40%も抑えることができる。空荷時や積載量が少なく、タイヤにかかる荷重が少ないときは、不要になったタイヤの車軸を「リフトアクスル」で自動的にリフトさせることで、カウントされる車重を減らし高速道路料金を節約できるというわけだ。

プラス200万円の車両コストがかかっても回収できる

「リフトアクスル」のメリットは高速道路のコスト低減だけではない。

・車軸を浮かせることで、タイヤの転がり抵抗を減らし、燃費を向上(約5%)
・タイヤやブレーキなどの摩耗、消耗を防ぎ、ランニングコストを節約
・1軸又は2軸をリフトアップすることで、路面等への攻撃性を少なくできる
・リフトさせることで、トレーラーの回転操縦性が向上

といったメリットもある。

「リフトアクスル」を搭載するには、プラス200万円ほどコストがかかるが、これらのメリットがあるため、その費用は確実に回収できるといわれている。

ちなみに車軸のアップ/ダウンは、事前にメーカーが設定した軸荷重により制御されていて、大手の日本フルハーフ製の「リフトアクスル」システムは、軸重9.2トン以上で自動降下して通常の2軸または3軸走行になる仕組みだ。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
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  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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