名車ポルシェ911の起源はオークションでも高評価?
2010年代中盤以降の世界的クラシックカー人気と、それに伴う価格高騰を象徴するのが、ランボルギーニ「ミウラ」やジャガー「Eタイプ」など数多くのクルマが存在します。なかでも最右翼というべきは空冷時代の「ポルシェ911」です。今回は、2025年5月3日に名門ボナムズ・オークション社が「FIマイアミGP」に付随するかたちで開催したオフィシャルオークション「THE MIAMI AUCTION 2025」に出品されていた、「ナロー」で「ショートホイールベース」な最初期型ポルシェ911をピックアップ。そのあらましと注目のオークション結果をお伝えします。
歴史的名作ポルシェ911のはじまりとは…?
元祖911は、ポルシェにスポーツカーメーカーとしての地位を確立させた名作「356」に代わり、1963年9月に「1964年モデル」の「Typ(タイプ)901」として登場した。
先代356のRRレイアウト+空冷水平対向エンジンを踏襲した以外は、新生ポルシェ901はまったく新しいクルマとなっていた。パワーユニットは「カレラ」系を除く356のOHVからSOHC(シングルオーバーヘッドカムシャフト)に代えられ、シリンダーは4気筒から6気筒に増加。排気量は約400ccアップの1991ccとなり、最高出力は356時代の最高性能モデル「356カレラ2(2000GS)」と同じ130psをマークした。
いっぽう車体構造は、356のプレス鋼板プラットホーム+ボディシェルから、より近代的なフルモノコック構造に進化。同時に、VW「タイプ1」をベースとする4輪トーションバーのサスペンションは廃止。より現代的な、マクファーソンストラットとトレーリングアームのレイアウトが採用された。
ポルシェ愛好家の熱狂的な支持を集めている
そして1969年モデル「Bシリーズ」で初の大改良を受ける以前の「Oシリーズ」および「Aシリーズ」は、ホイールベースは2211mm(Bシリーズは2268mmに延長)に設定していた。そのため、エンジンを後端に吊るすレイアウトも相まってオーバーステアの操縦性を示すかたわら、スキルの高いドライバーにとってはシャープなハンドリングの愉悦をもたらすことになる。
デビュー当初の車名「タイプ901」は、2桁目を「0」とする3桁の数字で商標登録をとっていた仏プジョー社から公式に抗議を受けた。そのことから、現在に至る「911」に改名されるも、そのころにはボディのシルエットだけで識別できるほどに、全世界であまねく知られる存在となっていた。
このクリーンでエレガントなフォルムは、最新の992系911カレラクーペのプロフィールにも受け継がれ、今なおポルシェ愛好家の熱狂的な支持を集めているのだ。


















































































































