現在も成功の象徴として君臨
8代目となった現在も、ファントムは力と影響力、そして成功の象徴として君臨している。現代文化の最前線に立つ多くの人物を魅了するだけでなく、自動車という枠を超えて最高級のラグジュアリーと文化的アイコンとしての地位を確立しているのである。
ファントムは、スヌープ・ドッグとファレル・ウィリアムスによる「Drop It Like It’s Hot」をはじめとしたミュージックビデオに登場した。さらに、サーチ・ギャラリーやサーペンタイン・ギャラリーといった文化機関での展示、エルメスやイリス ヴァン ヘルペンとのコラボレーションのキャンバスとしても存在感を発揮している。ファントムは周囲の文化を反映し、同時にそれを形作る存在である。

AMWノミカタ
テクノロジーの発展により、これまでの価値観にとらわれない新しい富裕層が誕生することとなった。彼らにとってのロールス・ロイスは自分の個性を表現する舞台となり、またSNSはその個性を拡散する道具として機能した。ロールス・ロイスの考える宣伝方法ではなかったかもしれないが、数多くのクールなファントムが紹介されてそれに共感する層が拡大し、その影響力の大きさから大手企業や大型イベントとコラボするようになるポジティブな連鎖が生まれて人々の認知がさらに広がる結果となった。
これまで長く王室や権力者に使用されていたファントムは権威や地位を示す象徴であったが、アーティストにアンチテーゼとして利用されることで新しいカルチャーやアートの象徴となった。そして現在はロールス・ロイスのもつビスポークの技術により個人の個性を表現するキャンバスとして高い支持を受けている。ファントムは保守的なイメージとは裏腹にどの時代でも時代の最先端に位置しムーブメントを作り出す存在であったことがわかる。










































