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本町山中有料道路が無料化!多くの道路が“永遠のローン返済中”のなか拍手を送りたい【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)

ほかの有料道路は路上のサブスク状態

僕はその、三浦半島の相模湾側と東京湾側結ぶ本町山中有料道路の近隣に住んでいます。

といっても、横須賀とは反対の相模湾側だ。つまり、これまで有料の本町山中有料道路を通るか、もしくは相模湾側から横須賀市内、つまり東京湾側に行くのに、これまで有料道路は使わなかった。ゆえに時間的ロスも無視できず、ついつい足が遠のいていたのです。

今回、本町山中有料道路が無料化になって、これまで40分ほどかかっていた道が5分程になった。頻繁に往復するようになった。それなりにお金を回していると思います。

こうした良識的判断が、ほかの有料道路にはほとんど波及しないのがまた悲しい現実。東名も名神も、開通から50年以上が経ってもなお“建設費の返済中”という顔で料金を取り続けている。あれはもう、返済というより“路上のサブスク”だ。しかも自動更新で解約不可、割引は気まぐれ、サービスエリアでのコーヒーもべらぼうに高いですよね。

なぜほかではできないのか?

実は本町山中”元”有料道路の近くに、逗葉新道有料道路がある。こっちはいつまでたっても無料にならず、しかも、施設管理費がかさむので値下げの可能性は低いと強気である。こっちができてあっちができない理由が理解できないのです。

「なぜ、ほかの道路は無料にならないのか?」と問うと、それが“必要ないから”ではなく、“できない仕組みになっているから”と知ると、ますます切ない。

道路は本来、公共のインフラであり、地域や国の動脈だ。ところが現実は、「償還完了=無料化」ではなく「償還完了=さらなる儲けどき」に変貌するのが日本の道路界のブラックジョークですよ。

そんな中、本町山中道路は、奇跡のような“普通の判断”で無料化された。この事実は、決して軽視してはいけない。私たちは「普通のことができた道路」に拍手を送りつつ、「なぜほかの道路ではそれができないのか」を、これからも問い続けなければならないですよね。

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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