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スズキ「ジムニー」の納車に2年待ったジャーナリストが断言…「待たされただけ愛着も深まるので、今オーダーしても損はない!」【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)

  • スズキ ジムニーシエラ:木下氏の愛車
  • スズキ フロンクス:ジムニー ノマドと同じくインドで生産をしている
  • スズキ ジムニーシエラ:リアガラスはステッカーチューンが施されている
  • スズキ ジムニーシエラ:現在、どのようにカスタムをするか悩み中だとか
  • スズキ フロンクス:ジムニー ノマドと同じくインドで生産をしている
  • スズキ ジムニーシエラ:2年の歳月を経て納車された
  • スズキ ジムニー ノマド:シャシーの上に載るボディの構造はシエラと同じだが、フロントドアは108mm短くなっている
  • スズキ ジムニー ノマド:リアゲートには専用のエンブレムが備わる
  • スズキ ジムニー ノマド:ボディサイズは、全長3890mm×全幅1645mm×全高1725mm
  • スズキ ジムニー ノマド:発表後わずか5日で5万台の受注となった
  • スズキ ジムニー ノマド:ガンメタリック塗装のフロントグリルはメッキパーツを使用した5スロットルグリルを採用し、ノマドの個性を主張している

ジムニーシリーズはこれからが旬!?

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「スズキ ジムニーの納期」です。まだまだ納車に時間がかかる一方で、今買ってもまったく遅くないといいます。その理由とは。

注文後にマイナーチェンジや新型モデルが追加!

スズキ「ジムニー シエラ」を注文したのは2022年の秋。納車されたのは2024年の夏だから、まるまる2年待ったことになる。いくらなんでも長すぎる。だが、それだけ人気が衰えないということ。JB74型のデビューは2018年の7月。発売から4年が経っても、なお熱気は冷めるどころか、むしろ熟成していた。
販売店のセールスマネージャーも、僕の注文書を前にして頭をかきながら言った。

「ご注文ありがとうございます。ただ、納期はですね……」

申し訳なさそうなその態度に、責任を問う気も起きなかった。人気車種の宿命というやつだ。ところが、待っている間にマイナーチェンジが入るという追い打ちが来た。国交省の新基準でリアパークソナーの装着が義務化され、それに対応するために一部仕様変更が入るとのこと。改良前モデルなら納期が早まるとも言われたが、さすがに新車を買うのに旧仕様というのは、気分が乗らない。結局、さらに待つことにした。

そして、ようやく納車されたころに、またしてもニュースが飛び込んでくる。ジムニーシリーズに5ドアモデルが登場。「ノマド」という名を冠したその新型は、発表後わずか5日で5万台の受注。これはもう、お祭り騒ぎどころではない。スズキも予想外だったのか、急遽受注停止に踏み切った。

「これ以上お待たせするのは心苦しい」

といった理由だが、買うことすら許されないというのも、なかなかのプレミア感である。

もちろん、生産を急げという声もある。

ジムニー ノマドの生産は時間がかかる

だが、現実はそう簡単ではない。ノマドの組み立てはインドのグルガオン工場で行われているが、ATやトランスファーは日本製。海を越えてインドへ運び、完成車がまた海を渡ってくるという手間のかかる構造だ。
さらに言えば、船のスペースにも限界がある。スズキは同じくインドで「フロンクス」というSUVも作っているので、どちらかを増やせば、どちらかを減らさなければならない。どちらも人気ときては、にっちもさっちもいかない。

ただ、最近の朗報としては、ノマドに乗り換えようとシエラの注文をキャンセルした人が一定数いたことで、シエラの納期が少し短くなった。なかには、「ノマドが来るまでシエラで繋ぐ」という強者も現れている。愛が深いというより、もはや軽い浮気のようでもある。

それにしても、ジムニーシリーズのモデルライフは長い。普通なら5年ごとにモデルチェンジするのが業界の常識だが、ジムニーは過去の例からして、20年スパンで現役を張る車だ。このままいけば、シエラのフルモデルチェンジは2037年。あと12年は旧型にならない計算だ。

つまり、いま購入してもまったく遅くない。むしろ、これからが“旬”と言っていい。ジムニーが人を惹きつける理由は、待たされただけ、じわじわと染みてくる。少し焦らされたほうが、愛着も深まるものだ。

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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