クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • 軽自動車のエンジンを搭載したフォーミュラマシン!?1960〜1970年代に隆盛を極めたレースカテゴリー
CLASSIC
share:

軽自動車のエンジンを搭載したフォーミュラマシン!?1960〜1970年代に隆盛を極めたレースカテゴリー

投稿日:

TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了(HARADA Ryo)

  • 東京技研F-J:東京技研F-Jのフロントサスペンション。細身の上下Aアームを組み合わせた、コンベン ショナルなダブルウィッシュボーンタイプ
  • 東京技研F-J:東京技研F-Jのリアサスペンション。トップ・シングル/ロワ・ツインのIアーム+上下 ラジアスロッドの、コンベンショナルなタイプだ
  • アウグスタMkIII:アウグスタMkⅢのフロントサスペンション。上下にAアームを組み合わせたダブルウィ ッシュボーンタイプだが、アッパーのAアームをロッキングアームとしたインボード式だ
  • アウグスタMkIII:アウグスタMkⅢのリアサスペンション。アッパーのIアーム、ロワの逆Aアームに上下ラ ジアスロッドを組み合わせた、通称“ブラバム・タイプ”
  • ハヤシ 702B:関西におけるFLのパイオニアとなったハヤシレーシング(当初は林カーショップ)の第 一世代、702Aの後期モデルが702B。製作者の林将一会長も「こうしたイベントに出てく るんは初めてちゃうかな」と
  • ハヤシ 702B:ハヤシ702Bのフロントサスペンション。上下にAアームを組み合わせたダブルウィッシ ュボーンタイプだが、Aアームの構成には各コンストラクターの個性が窺える
  • ハヤシ 702B:ハヤシ702Bのリアサスペンション。アッパーのIアーム、ロワの逆Aアームに上下ラジア スアームの組み合わせは、ロン・トーラナックがブラバム時代に完成させたスタイルだ
  • ハヤシ 702B:ハヤシ702Bのシリアルプレートのコンストラクター名は、ハヤシレーシングではなくハ ヤシカーショップとある
  • 第5回 FL festivalの全参加者は走行セッションを終えた後、鈴鹿サーキットのピット 前に愛機を並べて記念写真に納まった
  • 久々に出会った702Bの右脇で椅子に腰を下ろしながら、製作者の林将一会長は思いっき り顔を綻ばせていた
  • 全参加者にイベントスタッフ全員も加わった集合写真。走った人も走りを支えた人も、 たっぷりの笑顔は共通していた
  • こちらはイベントスタッフの集合写真。老若男女が揃いのTシャツを着ているが、懐か しい顔もチラホラ窺える
  • 自らの“作品”と記念写真に納まる林将一会長。クルマは左から2台の706と702B、そし て709S。当日は最終モデルの712も顔を見せていたが、早めに退出したのか集合写真に は姿がなかった
  • 東京技研F-J:ホンダNのエンジンチューニングで知られた東京自動車技研が製作した東京技研F-J。後 にマキやコジマのF1も手がけることになる小野昌朗さんが設計した
  • アウグスタMkIII:FLの先駆けとして人気の高かったコンストラクター、レーシングクォータリーの第三世 代。解良喜久雄さんがシャシーを設計し、カウルは由良拓也さんがデザインしたアウグスタMkIII
  • ハヤシ 702B:鈴鹿サーキットの日立Astemoシケインを行くハヤシ702B

1960〜1970年代に隆盛を極めたFLのマシンに半世紀ぶりに再会!?

梅雨の先駆けとなる驟雨の合間を縫うような曇天ながら、幸いにも路面はドライコンディションが保たれていた2025年5月16日。鈴鹿サーキットではFL festivalが開催されました。このイベントは、かつてFLマシンのコンストラクター(車両製造者)として一世を風靡したハヤシレーシングが主催しています。早速レポートをお届けします。

クルマとドライバーの古さを配慮して走行枠を30分に設定

FL festivalは、これまで鈴鹿サーキットや岡山国際サーキットで開催されている。今回で5回目となり20台を超える参加者が集まった。イベントとしては午前9時からと午前11時半から、それぞれ30分間の走行セッションが予定されている。

鈴鹿サーキットの走行枠は通常1時間枠となっているそうだが主催者がサーキットを貸切る際の要望として

「(古い)クルマだけじゃなく(高齢になった)ドライバーにとっても、60分枠を走り切るのはしんどい(笑)」

との意向があって30分枠での走行となった経緯があるようだ。実際のところ、60分の走行枠をヒストリックレースカーで一気に走り通すのは無理があるのは明らかで、30分×2セッションは妥当な設定だろう。それにしても、この話からは鈴鹿のFLへのシンパシーが感じられ、いい気持ちだった。

軽自動車のエンジンをベースにしたミニフォーミュラ

あらためてFLについて紹介する。1960年代末から1970年代に隆盛を迎えたレースカテゴリーのひとつで、当時の軽自動車用エンジン(主流はホンダ「N360」用の4ストローク・空冷2気筒だったが、のちにスズキ「フロンテ」用の2サイクル・水冷3気筒が圧倒的多数派に)をミッドシップに搭載したミニフォーミュラがFLのマシンだ。

FJとかFJ360、あるいはF500とかFL500、などと細かな車両規定によってさまざまな呼称はあるが、その総称としてはFLが一般的だ。個人的には中学生時代に実家近くにオープンしたホンダのサブディーラーの開店記念の展示会があって、自転車で駆けつけて初めて見たレーシングカーがFLのハヤシ「702」だった。ちなみにカーマン・アパッチのマスコットネームで知られるハヤシ「701」やホンダのワークス活動を担っていたRSCのホンダ「1300クーペ」やホンダ「S800」などのレース仕様が展示されていた記憶もある。

つまり鈴鹿で出会ったハヤシ 702とは半世紀ぶりの再会だったが、正確に言うなら半世紀前に見かけた702は初期型の702A。今回のFL festivalに登場したのは後期モデルの702Bだったから、例えて言うなら初恋の人と半世紀ぶりに再会したと思ったら実は双子の妹だった、ということにでもなるのだろうか。

12
すべて表示

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS