クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • FUTURE
  • コンチネンタルが2個のモーターを1ユニットで動かすコントローラーを出品
FUTURE
share:

コンチネンタルが2個のモーターを1ユニットで動かすコントローラーを出品

投稿日:

TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)

  • アクティブウイングを動かすためのツインモーターコントローラー
  • アクティブウイングの説明
  • アクティブウイング
  • ツインモーターコントロールを使用し、アクティブウイングを自在に動かす
  • ツインモーターコントロールを使用し、アクティブウイングを自在に動かす
  • コンチネンタル・エンジニアリング・サービス部門が開発を行った
  • アクティブウイングを動かすためのツインモーターコントローラー
  • ツインモーターコントローラーを使用し、アクティブウイングを自在に動かす

アクティブウイングの今後の展開に期待!

コンチネンタルという会社名を聞いて、多くの人はタイヤメーカーだと思うのではないでしょうか。しかし、その実態は自動車メーカーに部品や技術を供給する、いわゆるサプライヤーです。少し古いデータでは、世界第2位のメガサプライヤーでもあるのです。同社は設立から150年以上の歴史を持つ会社ですが、大きな変革が起きました。

新会社Aumovioを立ち上げた

コンチネンタルの歴史は1871年に遡り、すでに150年以上の歴史を持つ伝統ある会社でもある。有名なのは創業からのタイヤではあるが、じつはグループ全体での売上は35%(2022年統計)。そのほかの自動車の技術開発を中心とした自動車部門は46.5%(同)、素材ソリューションを専門とするコンチテック部門は16.5%(同)なのである。このように総合メーカーであるコンチネンタルは、2025年に歴史が始まって以来、初の大きな組織変更が断行された。

有史以来の組織改編は、自動車部門をスピンオフさせ、ドイツでは2025年9月にAumovioという名の新会社となる。そしてタイヤ部門が従来のコンチネンタルという会社名を引き継ぎ、コンチテック部門も2026年にはやはり分社化させることになると発表している。

そうした激動のなか、人とくるまのテクノロジー展のコンチネンタルのブースとは別に、何故か英国パビリオンにひっそりと存在していたのが、コンチネンタル・エンジニアリング・サービス部門である。従来の自動車部門がTier 1サプライヤーとして大きな自動車メーカーを顧客として想定し、規模の大きな開発を中心としていた。それに対し、このコンチネンタル・エンジニアリング・サービスは、プロトタイプ、少量生産あるいはニッチアプリケーションの開発を主体とした事業なのだという。

ウイングの角度を3次元に動かすユニークなデモンストレーション

そこに展示されていた試作品がじつにユニークだったので注目したい。名付けてアクティブウイングである。まあ、このアクティブウイングはあくまでもデモンストレーションの一環で、彼らの売りたい技術はツインモーターコントローラーである。

ふたつのDCあるいはBLDCモーターを同時にコントロールするものだそうだ。そのデモのためにアクティブウイングを作って作動させていた。それはまるで、かつてのシャパラル(1960年代のレーシングカー)が、大きなウイングを飛行機のエルロンのように角度を変え、エアブレーキの役割を果たすようなものだった。

アクティブウイングにはウイング自体が横方向にも縦方向にも3次元で角度を変えることができる。これはやはり1960年代に日本グランプリを走った、日産R381の分割ウイングのようだ。しかし、左右の角度を変えるのと同じような働きを1枚のウィングでやってしまうというものだった。

まあ、F1のDRSのような俊敏さを持たないから、超高速のレースでは使えそうにないが、一般車両にオプションとして搭載されたら面白そうであった。

しかし、ポイントはあくまでもその上下および左右に動かすモーターをひとつのコントローラーで操作できるツインモーターコントローラーなのである。今後どのように活用されていくか具体的な提案はされていなかったが、今までにはなかった注目すべき技術であることは間違いないだろう。

すべて表示
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
著者一覧 >

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS