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ジャンニーニ仕様で挑む!幸田ピッコロレースに賭けたクラシック500の“楽しさ”

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • フィアット 500:かつてローバーミニ、アルファ ロメオ155、ダイハツ ハイゼット、フィアット クーボなどを愛用していたbianco武内さん
  • フィアット 500:ステアリングはモモのウッド。ジャンニーニのメーターを装備している
  • フィアット 500:福岡県から愛知県にある幸田サーキットyrp桐山までフィアット 500 Fタイプを運んできた
  • フィアット 500:排気量650ccのエンジンに軽量ビックバルブとハイカムを奢り、ノーマル(500用)のキャブレター組み合わせている
  • フィアット 500:10インチホイールに組み合わされているのは、前後とも165/70R10サイズのアドバン032R
  • フィアット 500:フロントのボンネット内にある燃料タンクはノーマルのまま
  • フィアット 500:ジャンニーニ仕様だが、自称ホンモノとして楽しんでいるそうだ
  • フィアット 500:ビタローニのサイドミラー(セブリング)がいいアクセントになっている
  • フィアット 500:オートマイスター・オリジナルの前後スプリングを装着しているのでサーキット走行を楽しめる
  • フィアット 500:10周の決勝レースは750cc以上、750cc以下、600cc以下クラスの混走で、bianco武内さんは総合9位でフィニッシュ
  • フィアット 500:過去のレース歴はラヴォイタ(Coppa del Lavoro Italiano)のみとのことだったが、素晴らしい走りを披露
  • フィアット 500:マフラーはCSCで、126用のシンクロ付きミッションを移植している
  • フィアット 500:1972年式のフィアット 500 Fタイプだがジャンニーニ500TVという車名でエントリー

フィアット500たちの熱い戦い、幸田サーキットで再び

小型イタリア車による本気のレースは、観る者を魅了する白熱のバトルばかりです。このようなレースで小排気量車は、パワーを最大限に引き出すことが重要になります。今回は、幸田サーキットyrp桐山を舞台に開催された「幸田ピッコロレース2025」にエントリーした、ジャンニーニ仕様のフィアット「500」を駆る“bianco武内さん”の情熱にフォーカスしました。

全国から参加者が集まるように画策中

愛知県にある幸田サーキットyrp桐山を舞台に、2025年4月20日に「幸田ピッコロレース2025」が開催された。おなじみのフィアット ヌォーヴァ 500をはじめ、小型のイタリア車たちが繰り広げる白熱のレースは、観ている側もつい熱くなるほどの迫力であった。

併催された「幸田レンタルカートスプリントレース2025」とあわせて、いずれも本気でありながらもクリーンでフェアなレースばかり。入場・観覧・駐車すべて無料という開かれたイベントで、会場2階の「Café de KOTA 7(nAnA)」からコース全体を見渡せるのも魅力のひとつである。

2025年は福岡、和歌山、兵庫、大阪、京都、奈良、岐阜、三重、愛知と、西日本の各地から“走りたいオーナーたち”が参加。今後は東日本からの参戦も期待されており、創設者は全国展開を視野に入れているようだ。

九州から走ってきたジャンニーニ仕様

そんなピッコロレースに福岡から愛車を持ち込んだのが、bianco武内さん(取材時46歳)である。彼が運転したのは1972年式のフィアット 500 Fタイプ。イタリアの名チューナーブランド、ジャンニーニ仕様に仕上げられた1台である。

「ジャンニーニ仕様ですが、自称ホンモノ。足まわりにはオートマイスター・オリジナルの前後スプリングを装着。エンジンは650ccで軽量ビックバルブとハイカムをセットしています。トランスミッションは126用のシンクロ付きに換装していて、そこに500用ノーマルキャブレターを組み合わせているのがこだわりのポイントです」

武内さんによれば、この仕様のクルマは6年前に入手したとのこと。しかし、フィアット 500との付き合いはもっと長く、初めて購入したのは26年前だという。

「ジャンニーニ仕様は見た目が気に入って手に入れました。さすがに真夏や雨の日には乗りませんが、それ以外は気分次第で走らせています。幸田ピッコロレースのようなイベントにも積極的に参加していますよ。いちばん思い出深いのはやはり、このレースですね。今年も最高に楽しかったです。もちろん、また出たいです」

「苦労はない」の理由は専門ショップオーナーだった!

「これだけ手を入れていて、維持するのは大変なのでは?」

と著者が訊ねると、意外な答えが返ってきた。

「じつは、とくに苦労したことはありません。近所のコンビニへの買い物から、愛知への遠征まで、なんでもこなせるんです。それがこのクルマの楽しさですね」

えっ、そんなことが? と驚いて話を掘り下げると、武内さんは“bianco”というクラシックフィアット専門店の代表を務めている人物であった。

「じつはこのジャンニーニ仕様、もともとは買取車両でした。ボディ以外はほぼ手が入っていて、納車前のテストも兼ねてレースに持ち込みました。すでに売却済みですが、新しいオーナーにもたくさん走らせてもらえたら嬉しいですね」

幸田ピッコロレースへの出場は今回が2回目。フィアット 500が主役のレースは希少であり、

「また絶対に出たい」

と語ってくれた。

なお、武内さんは2023年に2006年式のルノー カングー(5速MT仕様)を所有していて、「楽しく運転できて、人も荷物も積めるクルマ」として重宝している。クラシックカーショップのオーナーという立場もあり、今後も“運ぶ足”として活用していく予定だという。

「出会いとタイミングが合えば増車も考えますが、しばらくはカングーが活躍しそうです」

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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