フィアット 500そっくりなダイハツ エッセに遭遇
2024年6月2日に群馬県伊勢崎市にある伊勢崎市オートレース場駐車場で開催された「第1回 伊勢崎オートモービルフェスタ」。この会場で、なんとフィアット「500(チンクエチェント)」仕様のダイハツ「エッセ X」を発見しました。完成度が高すぎる「エッセチンク」の正体に迫ります。
500と間違える人が続出するほどの完成度
クルマ好きが積極的にチョイスしている軽自動車、ダイハツ「エッセ」。往年のルノー「5(サンク)」を彷彿させるスタイルをしていることから、イジることなくそのまま足グルマとして活用するもよし、クルマの素性がいいのでモディファイしてサーキット走行を楽しむもよしな軽自動車なのだ。
これまではエッセの活用法といえば上記の2パターンのみだと思っていたが、第1回 伊勢崎オートモービルフェスタの会場で第3の楽しみ方があることを確認してしまった。Nさんが奥さまと乗ってきた2006年式のエッセ Xは、なんとフィアット「500」仕様になっていたのだ。
取材中、「エッセチンク」の周囲を歩いているギャラリーの声を聞くと、500と間違える人がたくさんいた。このエッセの横を通過したほぼ全員が「フィアットなのにアバルトのデカールを貼っているのか!」と言っていたのだ。そのコメントを聞くたびに、筆者は心のなかで「いやいや、そもそもダイハツですから!」と叫んでいたことをここに記しておく。
本物の500パーツを随所に使用
オーナーのNさんは他に1971年式のフィアット「ヌォーヴァ500」と2000年式のフェラーリ「360モデナ」も所有しているとのことで、じつは筋金入りのイタリア車趣味人。日本の軽自動車エッセで、どうやってこの完成度を実現したのか、伺ってみた。
「カスタムカーイベントで500仕様になったエッセを見て気になり、出展していたショップに連絡してみたのですが、パーツは販売品ではなかったんですよ。よし、それじゃあ自分で作るか! と、まずベース車となるエッセを購入し、手元に来てからすぐさまカスタムを開始しました。
リアルさを追求したかったので、本物の500から型を取ってFRPでフロント部分を製作。完成したFRP製のフロント部分に装着した灯火類、エンブレム、メッキパーツなどは、すべて本物です」
当然のことながら500とエッセでは全幅が異なるのでプロに製作してもらったFRP製のフロント部分は本物よりも細くなっているが、違和感ゼロなのだ。
「エッセを購入し、500仕様にしてからもう10年になりますね。運転が容易で故障しないので、通勤の足として使っています。旧車オーナーの取材時に出てくるような苦労話は皆無ですね。今後、新潟方面へのドライブなどを計画しています」
購入時に4万kmだった総走行距離は、現在10万5000kmになっているとのことだったので、これからも順調に伸びていくはずだ。
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