スペシャリティカーとして人気を博したランサーセレステ
「ランサーセレステ」は、三菱が1975年から1982年まで生産・販売していたファストバックの2ドアクーペです。現在では滅多に見られないクルマですが、2024年6月2日に群馬県伊勢崎市にある伊勢崎市オートレース場駐車場で開催された「第1回 伊勢崎オートモービルフェスタ」で遭遇。オーナーの高橋 準さんに話をお聞きしました。
知り合いの紹介で4年前に購入
三菱「ランサーセレステ」。この車名を見たり聞いたりしたときに、「ギャランクーペFTO」の後継モデルとして1975年に登場したファストバックスタイルのクーペと即答できる人は相当な三菱車フリークだ。もはや街中はもちろん、趣味車が集まるイベント会場でも遭遇する機会がほぼゼロなので、第1回伊勢崎オートモービルフェスタの車両展示スペースでこの「ランサーセレステ 1600GT」を見つけた瞬間に大興奮。
すぐさまオーナーの高橋 準さん(63歳)に声をかけてしまったが、いい人のもとで大切にされていることが分かり、取材しながら思わずホッとしてしまった。

1978年式の三菱 ランサーセレステ 1600GTとオーナーの高橋 準さん。このほかにミニカ70と2台の三菱車を愛用し、オースチン ミニクーパー 1275Sやユーノス NA型ロードスターも所有している
「このランサーセレステ 1600GTは1978年式で、知り合いの紹介で4年前に買いました。使い方はイベントへの参加とチョイ乗りで、購入時に6000kmだった総走行距離は1万400kmまで伸びました」
スペシャリティカーとして人気を博したランサーセレステは、当時北米地域での業務提携先で現地での独占販売契約を結んでいたクライスラーによって「プリマス アロー」の名でデリバリーされていた。高橋さんもアメ車的なスタイルが好きで、アメリカンな雰囲気が愛車のポイントであると話してくれた。
足まわりを強化してワインディングも軽快
エクステリアデザインが洗練されているので旧さを感じさせないが、年式的には旧い国産車。当然のことながら購入後の苦労もあったという。
「解体するか、誰かに乗ってもらうか、というギリギリの状況のなかで私のところにやってきました。ピストンが1本棚落ちしてエンジンが不調でしたが、友人がノーマルのオーバーサイズピストンを持っていて、それを譲ってもらえたので交換することができました」
あなたにとってクルマとは何ですか? という質問に対して、高橋さんは「仕事7:趣味3」だと答えてくれた。じつはクルマのプロである高橋さんは、現在1974年式のホンダ「ライフ」(360cc)も愛用。1970年式のオースチン「ミニ クーパー 1275S」および三菱「ミニカ 70」(セブンゼロ)、そして、ユーノスNA型「ロードスター Vスペシャル」も所有しているらしく、ランサーセレステ 1600GTも自分で修理しながら完調を保っていた。
「もう今後は増車することなく、今あるクルマたちを修理しながら楽しんでいきます。そういえば、ランサーセレステ 1600GTはショックを変えているので峠もイケます。これから外装を手直ししたいですね」
次にどこかのイベントで高橋さんとランサーセレステ 1600GTに会ったら、イイ感じになったスペシャリティカーの雄姿を拝見することにしよう。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)